[台北市 31日 ロイター] – 台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の中国河南省鄭州工場で厳しい新型コロナウイルス対策を巡る混乱が広がっている問題で、関係筋によると、同工場で生産する米アップルのiPhoneの11月の出荷量が最大3割減少する可能性がある。
同筋によると、鴻海は中国南部深セン市でiPhoneの増産に取り組んでいるという。
同社は取材に対し、30日に出した発表文の内容通りと回答。この中で鴻海は状況は徐々に収束しつつあり、他の工場の予備生産能力と調整して想定される影響を抑えるとした。
台湾市場に上場する鴻海株は31日に1.4%安で終了。台湾市場の主要株価指数は1.3%高だった。
アップルからコメントは得られていない。
鄭州工場は約20万人の労働者を雇用。施設内の厳しいコロナ対策に対する労働者の不満でこのところ揺れていた。
週末には出稼ぎ労働者が故郷に戻る動きが出て、周辺の都市は帰郷した労働者らに隔離を求めた。
富邦のアナリストが今月明らかにしたところによると、鴻海はアップルにとって最大のiPhoneメーカーで、世界のiPhone出荷台数の70%を生産しており、これが鴻海の売上高の45%を占めている。
鴻海はまた、インドでもiPhoneを生産しているが、鄭州工場が世界生産の過半を占める。
別の関係筋によると、鄭州工場には多くの労働者が残っており、生産は続けられている。