- 米GDP上方修正、グッゲンハイムのCIO急死、ECB利上げ観測
- テスラが一部で値引き拡大、英で生活水準が大きく悪化
今年開催されたサッカーのワールドカップ(W杯)では、開催国カタールが準備のため巨額の資金を投じましたが、現地を訪れたファンの出費もかなりの額に上ったようです。米電子決済ネットワーク運営会社ビザのデータによれば、スタジアムでの観客の支出額は前回18年のロシア大会を39%上回りました。期間中で支出が最も多かったのは決勝が行われた18日。国別ではサウジアラビア、米国、アラブ首長国連邦(UAE)、メキシコ、英国からの観客の支出が特に多かったとのことです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
消費上振れ
7-9月(第3四半期)の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率3.2%増と、改定値の2.9%増から上向きに修正された。個人消費と企業の設備投資が上振れした。個人消費については2.3%増と、改定値(1.7%増)から大幅に上方修正された。今回のGDP確定値は、金利上昇や高インフレをよそに消費者と企業の需要が堅調さを維持していることを浮き彫りにしている。
急死
米資産運用会社グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード最高投資責任者(CIO)が死去した。63歳だった。過去数十年にわたり、債券投資の世界で有力者の一人だった。グッゲンハイムの22日付発表文によると、マイナード氏は心臓発作により21日午後に急死した。
利上げ観測加速
欧州中央銀行(ECB)政策当局者は2桁台のインフレ率を抑制すべく追加利上げの必要性を相次ぎ主張しており、これをトレーダーも注視している。中銀会合の日付を対象としたスワップによれば、短期金融市場では中銀預金金利のピークについて来年7月までに3.5%と織り込まれている。これが現実となった場合、同金利は2001年以来の高水準となる。
値引き拡大
米テスラは米国の消費者向けに7500ドル(約99万円)のディスカウントを提供している。最安値の2モデルが対象で年内納車が条件だ。対象車はセダンの「モデル3」とスポーツタイプ多目的車(SUV)の「モデルY」。同社は今月上旬にもディスカウントを提供していたが、その値引き額を2倍に拡大した。来年から適用される米国の税控除変更を踏まえてのキャンペーン実施とみられる。
生活水準が悪化
第3四半期の英国の家計所得は4四半期連続で減少し、生活水準が極めて悪化していることが示された。英政府統計局(ONS)の22日発表によれば、インフレ調整後の1人当たり可処分所得は7-9月に0.5%減少。GDPは前期比で0.3%減少と、速報値(0.2%減)から下方修正された。監査・税務およびコンサルティングを手掛けるRSMのエコノミスト、トーマス・ピュー氏は「英国が1年間続くリセッション(景気後退)に既に入っているのはほぼ確実だ。1990年代初頭に経験したリセッションよりもひどい可能性がある」と述べた。
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