延広絵美
債券市場では、新発10年国債利回りが0.53%と、日本銀行の許容上限の0.5%を超えた。昨年12月の米消費者物価指数(CPI)でインフレ鈍化が示されて12日の米長期金利が低下する中でも、日銀によるさらなる政策修正観測を背景に、債券は大幅安となっている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介債券ストラテジストは、日銀会合を控えてイールドカーブコントロール(YCC)の早期修正観測が強まっており、軟調地合いが継続していると指摘。こうした状況で迎える5年債入札は「市場参加者の様子見姿勢が強まりやすいので波乱含みだ」と指摘。入札後に日銀が指し値オペや臨時オペを実施する可能性があっても、サポート効果は期待しにくいとの見方だ。
・長期国債先物3月物は前日比36銭安の144円81銭で取引を開始し、一時144円45銭まで下落 |
・新発10年債は3ベーシスポイント(bp)高の0.53% |
5年債入札
- 発行予定額は2兆5000億円程度
- 大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジスト
- 日銀決定会合前で下値めどをつけにくい5年国債を積極的に買い難い。必要最低限の落札にとどまるよう応札スタンスを考えたい
- 相対価値からは、8-9年セクターからの入れ替えに一考の余地
- 備考:5年利付国債の過去の入札結果 (表)
日銀オペ
- 10年国債を0.50%の利回りで無制限に買い入れる指し値オペを毎営業日実施。チーペスト銘柄を対象とした指し値オペも当面継続
背景
- 12日の米10年物国債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp)低い3.44%程度
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