• 金融緩和への楽観に警鐘、ダボス会議開幕、日銀会合
  • 中国コロナ死者90万人の声も、ゴールドマン強気予想
An eagle sculpture stands on the facade of the Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, DC. Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

12月の米消費者物価指数(CPI)でインフレ鈍化傾向が確認されたことから、市場では米利上げ減速への期待が強まっています。こうした金融市場の観測に対し、当局はどんなコミュニケーションで臨むのでしょうか。今週は17日のニューヨーク連銀総裁を皮切りに、金融当局者の発言が続きます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

誤った期待

金融政策緩和を期待するトレーダーの見方に反し、中央銀行はインフレの低下傾向を確実にすべく今年も利上げを継続する。米ブラックロックのフィリップ・ヒルデブラント副会長がこのような見方を示した。かつてスイス国立銀行(中央銀行)総裁を務めた同氏は、ダボスでのブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「率直に言って、年内緩和の可能性は全くないと私は思う。これについての市場の見方は誤っているだろう」と述べた。

悲観7割

世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)が開幕。企業経営者やエコノミストが今年の世界的リセッション(景気後退)の恐れを警告する中での開催となる。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が昨年10、11月にビジネス界のリーダー4410人を対象に実施した調査では、全体の73%が今後12カ月の世界経済の成長低下を予想。5人に2人は、自分の会社が10年後には存続していない可能性があるとの懸念を示した。

日銀会合

日本銀行が17、18日に開く金融政策決定会合は、緩和策のさらなる修正に踏み切るかどうかが最大の焦点。政策対応と黒田東彦総裁の記者会見の内容次第では市場環境が大きく変化することになりそうだ。ブルームバーグが6-11日に実施したエコノミスト調査では、ほぼ全員が今回会合での現状維持を予想。次の政策対応は全員が「金融引き締め」と回答。時期は4、6月がともに19%で、7月までの3会合では計52%に達した。

氷山の一角

中国で今回の新型コロナウイルス感染拡大が始まってから最初の5週間について政府が発表した死者数は約6万人だが、実際には数十万人に上る可能性があると、専門家は指摘する。北京大学の国家発展研究院の報告書によれば、国民の64%が1月半ばまでに感染。カリフォルニア大学ロサンゼルス校フィールディング公衆衛生大学院の張作風疫学部長は、この数字と0.1%の死亡率という保守的な見積もりを基に、それまでの5週間の死亡者数を90万人と試算した。

商品が最強

ゴールドマン・サックス・グループの商品リサーチ世界責任者、ジェフ・カリー氏は、あらゆる資産クラスの中で2023年は商品(コモディティー)が最も力強い展望を持っていると指摘。マクロ経済環境が完璧であること、ほぼ全ての主要原材料で在庫がかなり低いことが理由だとしている。中国での需要が回復し始める一方で供給への投資は限られているため、23年全体として商品は「ゴルディロックス」相場になると予想。「商品にとってここまで強気な構図は思い浮かばないだろう」と述べた。

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