[フランクフルト 19日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)が12月15日開催した理事会で、政策当局者の多くが0.75%ポイントの利上げを主張したが、将来の利上げを強く示唆することが12月時点での0.75%ポイントの利上げと同程度の効果を発揮するとの結論に達し、0.5%ポイントの利上げで妥結していた。19日公表の議事要旨で分かった。

ECBは15日の理事会で政策金利の0.5%ポイント引き上げを決定。利上げは4会合連続だが、利上げ幅は過去2回の理事会の0.75%ポイントから縮小した。ただ、ラガルド総裁は「現時点で入手されている情報に基づくと、次回会合と、おそらくその次の会合で、さらに0.5%ポイントの利上げが決定されると予想される」と表明した。

議事要旨で、0.5%ポイントの利上げは「ある意味、0.75%ポイントの利上げとほぼ同等だ。なぜなら政策金利を制約的な水準に引き上げるための、控えめな前倒しながら着実なアプローチは、インフレ過程のより持続的な性質と継続的に高まる不確実性と整合するとみられるためだ」と指摘。当初は大多数の当局者が0.75%ポイントの利上げを主張し、一部の当局者はぎりぎりまで意見を変えなかったという。

ロイターは12月15日、関係筋の話として、15日の理事会ではECBのチーフエコノミストを務めるレーン専務理事が提案した0.5%ポイント利上げに対し、0.75%利上げを主張するメンバーから反対の声が上がったが、ラガルド総裁は膠着を解消するため、今後の0.5%ポイントの追加利上げとインフレに対するタカ派的なメッセージを記者会見で示唆すると提案し、反対派の一部が納得。しかし反対派のうち約半数は譲らず、支持に回らなかったと報じた。