• 米国債投資家がCPI警戒、インフレ勝利宣言は時期尚早
  • 植田日銀はバランス重視、カナダでも撃墜、相場操縦事件で判決
Pre-owned vehicles for sale at a used car dealership in Detroit, Michigan, U.S. Photographer: Matthew Hatcher/Bloomberg

相場の潮目を変えた1月の米雇用統計ほどのサプライズはあるのか。マーケットの関心は14日発表の米消費者物価指数(CPI)に集まっています。総合CPIは前年同月比の伸びが一段と鈍化する見通しである一方、前月比ベースでは3カ月ぶりに加速する見込み。ガソリン価格上昇のほか、CPIコア指数の重要要素である中古車価格が前月比で跳ね上がったことにも注意が必要です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

CPIを警戒

米国債投資家は相場が一段と下落しかねないとして、1月CPIを警戒している。市場関係者は前月比での総合CPI加速を予想しているが、実際の伸びが予想よりも大きくなった場合は、米国債の下げが拡大するリスクがある。バークレイズのエコノミストは、サービスセクターが引き続き堅調な上に財のインフレが再び高まったことを挙げ、コアインフレが1月に加速したと予想。フェデラルファンド(FF)金利のターミナルレート予想を5.25-5.5%に引き上げた。連邦公開市場委員会(FOMC)の現在の誘導目標レンジは4.5-4.75%。

遠い勝利宣言

米株の投資家もCPIを受けて相場が下落する可能性に備えている。ブルームバーグがまとめたCPIコア指数の市場予想は前月比0.4%、前年比5.5%上昇が見込まれている。ホムリック・バーグのステファニー・ラング最高投資責任者(CIO)は「インフレデータのさらなる改善を見る必要がある」と指摘。「インフレとの闘いで勝利宣言し、経済のソフトランディング(軟着陸)や利下げを既定路線と考えるのは時期尚早だ」と語った。

バランス重視

岸田文雄首相は日本銀行の黒田東彦総裁の後任に、元審議委員で経済学者の植田和男氏を指名。2人の新たな副総裁を含めバランスの取れた布陣からは、政策の継続性と市場の安定確保を図りつつ、過度な緩和策からの修正を慎重に進めたい政権の意向がにじむ。副総裁には内田真一理事と氷見野良三前金融庁長官が起用され、国際的な発信力もある金融政策や金融制度のプロが総裁を支える。チーム植田は、金融緩和の副作用にも配慮したバランス重視の手堅い布陣といえそうだ。

撃墜に次ぐ撃墜

カナダ上空でも未確認物体が米軍によって11日に撃墜された。こうした北米の領空侵犯は今月3回目。10日にはアラスカ上空を飛行していた物体を米戦闘機が撃墜していた。これら2つの物体について、米上院民主党のシューマー院内総務は高高度の気球だったとの見解を示した。一方、中国は山東省の港湾都市、青島付近の海域上空を飛行しているのが目撃された未確認物体を撃墜する準備を整えているという。同国の澎湃新聞が報じた。

初めての判決

SMBC日興証券の相場操縦事件で東京地裁は13日、金融商品取引法違反(相場操縦)の罪に問われた法人としての同社と元執行役員エクイティ本部副本部長の杉野輝也被告に判決を言い渡す。午後2時に開廷する。同事件を巡って判決が出るのは初めて。検察側は論告で「類を見ないほど悪質」と糾弾。法人としてのSMBC日興に罰金10億円と追徴金44億円余り、杉野被告に懲役1年6月をそれぞれ求刑した。SMBC日興と杉野被告はともに起訴事実を認めている。

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