- ゴールドマンの消費者事業、米消費者信頼感、米利下げ見通し後退
- ECBのピーク金利予想、投資家は株式に顕著に弱気
世界でも有数の低リスク債務証券のリターンが、伝統的な「株式60%/債券40%」戦略でのリターンを約20年ぶりに上回りました。6カ月物の米財務省短期証券(TB)の利回りは2月28日に一時5.14%に上昇し、2007年以来の高水準。一方で株式と債券の指数に基づき算出した60/40戦略での利回りは5.06%。米金融当局の積極利上げにより投資環境が大きく変化したことが浮き彫りになった格好です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
消費者事業の行方
米ゴールドマン・サックス・グループは消費者事業について戦略的選択肢を検討していると、デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)やジョン・ウォルドロン社長らトップ幹部が相次いで明らかにした。これは、ゴールドマンが消費者事業の売却の可能性も検討していることを示唆する。同事業はプラットフォーム・ソリューションズという新たな部門に属している。
予想外
2月の米消費者信頼感指数は102.9に低下した。エコノミスト調査では108.5への上昇が見込まれていた。前月は106.0(速報値107.1)に下方修正された。今後6カ月の見通しを反映する期待指数は69.7に低下し、昨年7月以来の低水準。信頼感の低下は、向こう6カ月の雇用や所得、ビジネス環境に対する悲観の強まりを映した。
利下げ見通し後退
債券トレーダーは、年内の米利下げ確率が50%以上あるとはもはや見込んでいない。それは担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動する先物に表れている。23年12月限は、28日現在では予想ピーク金利をわずか約12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回る水準。これは25bp利下げのおよそ半分で、年内利下げの有無を巡り市場の見方が割れていることがうかがえる。1月の間は、12月限は予想ピーク金利を64bp下回り、25bp利下げが2、3回ある可能性が高いことを示唆していた。
4%織り込む
トレーダーが欧州中央銀行(ECB)のピーク金利予想を上方にシフトした。フランスとスペインのインフレが2月に予想外に加速した。短期金融市場は初めて、ECBターミナルレート4%を完全に織り込んだ。24年2月までにこの水準に達することが想定されている。年初には3.5%がピークと見込まれていた。ECBの中銀預金金利(現行2.5%)が4%になったことはない。
「顕著に弱気」
株式に対する投資家のセンチメントは悲観の度を強め、米国と欧州の株価指数先物の空売りが増えている。シティグループのストラテジストが指摘した。クリス・モンタギュー氏率いるチームによると、ポジションは先週「顕著に弱気に傾き」、S&P500種株価指数先物のショートポジションは約30億ドル(約4100億円)増加した。欧州ではユーロ・ストックス50指数先物のショートポジションが、低水準からとはいえ3倍に増えたという。
その他の注目ニュース
パウエル氏が警告したデフォルト救済期待、過去のロビー活動と呼応
日銀3月会合でサプライズ見込まず、金融機関の含み損拡大に懸念の声
欧州ESGファンドの「除外」ルール案、厄介な影響を及ぼす可能性