- 0.5ポイント利上げ4回連続をとホルツマン氏、欧州債券発行ペース
- 6年ぶりにアップル買い推奨、米株に短期的に強気、ウクライナ情勢
記憶に新しい1月の米雇用統計の衝撃。年次改定の影響もあったとはいえ、非農業部門雇用者数は前月比51万7000人増と、市場予想の18万9000人増を大幅に上回りました。最も大きな伸びを予想していたエコノミストでも32万人増でした。ブルームバーグ・エコノミクスは今週10日発表の2月雇用統計も堅調な内容を見込み、その根拠として米国内の一部地域で例年より気温が高かったこと、既に発表されている企業のレイオフが一部でまだ行われておらずデータに反映されないことなどを挙げています。市場予想の中央値は22万3000人増ですが、波乱はあるか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
4会合連続0.5ポイント利上げ主張
欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は、3、5、6、7月の4会合連続の0.5ポイント利上げを支持すると言明した。発言を受けてドイツ2年債利回りは上昇した。同総裁は6日付の独紙ハンデルスブラットに掲載されたインタビューで「コアインフレ率は上期には大きく下がらず、現在の水準付近にとどまると思う」とし、「その場合、0.5ポイントの利上げを今年あと4回行うだろうと考えている」と述べた。チーフエコノミストのレーン理事は同日これより先に、3月の後も利上げを続けることが恐らく必要となるだろうが、いかなる行動も入ってくるデータに基づいたものでなければならないと念を押した。
史上最速ペース
欧州では債券が記録的なペースで発行されている。年初来の発行額は5000億ユーロ(約72兆6000億円)を過去最速で超えた。利回りは上昇基調にあるが、インフレや地政学的な不透明性から、企業や銀行、政府は計画を前倒しして発行を急いでいる。ブルームバーグがまとめたデータによると、6日にはネスレ、トヨタ自動車、HSBCホールディングスが社債を発行し、従来の記録よりも2週間早く5000億ユーロの節目に達した。週内には欧州連合(EU)とステランティスも発行を計画しており、発行額はさらに増える見通しだ。
6年ぶりの買い推奨
米ゴールドマン・サックス・グループは約6年ぶりに米アップルの株式に「買い」を推奨している。ゴールドマンはこれまでアップルの株価が4倍以上に跳ね上がってもおおむね様子見に回っていた。ゴールドマンのアナリストで、アップル株の投資判断を引き継いだばかりのマイケル・ウン氏はアップルの持つ膨大なユーザー情報が同社のサービス事業拡大に寄与するとみている。ゴールドマンが最後にアップル株を「買い」と判断したのは2017年。それ以来、同社の株価は300%超の上昇率を達成している。
短期的に強気
モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は、米国株について短期的に強気に転じた。企業利益悪化の逆風に直面する前にまだしばらく上昇が続く余地があるとの見方だ。「米株相場は先週、重要な下値支持レベルを下回らなかった。弱気相場の中の現在の上昇はまだ終わろうとしてはいないことを示唆する」とリポートでコメント。同氏はS&P500種指数が200日移動平均を下回らなかったことを指摘し、ドル下落と債券利回り低下が今後も続けば、一段の上昇余地があるかもしれないと分析した。次の上値抵抗線は3日終値を約2.5%上回る4150とみている。
ワグネル創業者が不満
ウクライナ軍のシルスキー陸軍司令官が東部の要衝バフムトを訪問した。ウクライナ当局によれば、ロシア軍は引き続きバフムトの孤立化を目指しており、バフムト近郊を含む5方向で攻撃を仕掛けている。弾薬不足に不満を表したロシア民間軍事会社ワグネルの創業者エフゲニー・プリゴジン氏は、ロシア軍が同社担当幹部のアクセスを遮断したと非難した。プリゴジン氏の広報担当が明らかにした声明によれば、同氏の特使がウクライナにあるロシア軍本部への許可証を無効にされ、立ち入りができなかった。プリゴジン氏は先週末、バフムトで戦闘を繰り広げる隊員が弾薬不足に陥ったのはロシア軍の「官僚主義や裏切り」のせいだと批判、緊急に物資を求める書簡を記していた。
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