- バイデン・マッカーシー両氏が間もなく会談、みずほが米投資銀買収
- 6月FOMC、ソフトバンクGが米社売却、JPモルガン金利収入
12年前の2011年8月、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は米国の長期格付けを「AAA」から 「AA+」に1段階引き下げました。史上初の米格下げに直ちに反論の声を上げたのが、資産家ウォーレン・バフェット氏。ブルームバーグテレビジョンのインタビューで米国の格付けは「AAAA」に値すると述べ、米経済が2番底に陥る恐れはないと強調しました。失敗すれば恐らくデフォルト(債務不履行)と格下げが待っている今回の債務交渉。「オマハの賢人」はどうみているでしょうか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
大詰め
バイデン米大統領は米東部時間22日午後5時半(日本時間23日午前6時半)にマッカーシー下院議長と会談し、デフォルト回避を目指した債務上限を巡る協議に入る。マッカーシー議長はこれに先立ち、午前中に行われた担当者同士の協議は「生産的だった」と発言。早ければ6月1日と言われている米国のデフォルトを回避するには、今週中の合意が必要だと指摘し、「合意は今夜にも、明日にも成立可能だ」と述べた。ただ双方はまだ何も合意していないことも強調した。
米事業拡大
みずほフィナンシャル・グループは米投資銀行グリーンヒルを買収することで合意した。買収により米事業拡大を加速させる。みずほは1株当たり15ドルを現金で支払う。グリーンヒル株の19日終値に対して121%の上乗せで、債務を含めグリーンヒルの企業価値を5億5000万ドル(約760億円)と評価した取引。みずほの従業員は買収により370人増え、グリーンヒルは世界15カ所での営業を続ける。グリーンヒル経営陣はとどまり、スコット・ボクCEOが合併、買収および再編担当の会長となる。
タカとハト
米セントルイス連銀のブラード総裁は、インフレ沈静化のために連邦公開市場委員会(FOMC)は今年あと2回利上げを余儀なくされるだろうと述べた。「具体的にいつになるかは分からないが、遅いよりは早いほうがよい」と主張。「この問題を片付けて、1970年代の二の舞にならないようにするべきだ」と述べた。一方でアトランタ連銀のボスティック総裁は、6月のFOMC会合では金利据え置きを支持する意向をあらためて示した。「大きな変化がない限り、現時点では事態がどう進展するか様子を見ることに違和感はない」と述べた。
売却
ソフトバンクグループは米投資会社フォートレス・インベストメント・グループの株式90.01%を、アブダビ首長国の政府系ファンド、ムバダラ・インベストメントに売却する。取引完了後にムバダラはフォートレス株の70%を保有し、残り30%はフォートレス経営陣が取得する予定。同経営陣には、取締役会メンバーの過半数を指名する権利の付いた種類株も付与される。取引の条件は開示されていない。ブルームバーグ・ニュースは昨年9月、フォートレスを20億ドル(現在の為替レートで約2770億円)超と評価し得る案件になると報じていた。
買収効果
米銀JPモルガン・チェースはファースト・リパブリック・バンクの買収に伴い、今年の純金利収入(NII)の見通しを引き上げた。プレゼンテーションによると、トレーディング事業での収入を除いたNIIは840億ドル(約11兆6000億円)の見込み。従来予想は810億ドルだった。米利上げに対する消費者の反応など幾つかの「不確実要素は残る」という。「信用環境は穏やかだが、今年いっぱい正常化が続くとみている」と同社は説明。24年終盤に失業率が5.8%でピークに達するとの見通しに基づいて引当金を積んでいるという。
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