[東京 6日 ロイター] – 政府は6日の関係閣僚会議で「水素基本戦略」を6年ぶりに改訂し、今後15年間で官民合わせて15兆円を投資する計画をまとめた。供給網(サプライチェーン)を整備し、次世代エネルギーとして早期普及を促す。

政府は今回の改定で、2040年までに年間1200万トンとする水素などの導入目標を新たに掲げた。これまでは30年の目標を年間300万トン、50年に同2000万トンとしていたが、さらに細かく目標を設定して量産化・産業化を加速する。

西村康稔経産相は閣議後会見で、ロシアによるウクライナ侵攻、脱炭素に向けた取り組みで水素の需要や関心が高まっていると強調。「技術で先行している日本がさらに伸ばし、サプライチェーンをしっかりと構築していきたい」と語った。「規制・支援一体型で、これまでにない総合的な戦略となる」と述べた。

外国の政府や企業と連携し、国内だけでなく、海外でも発電や製造など中核技術の普及を目指す。2030年までに日本関連企業の水電解装置の導入目標を15GW(ギガワット)程度とする。

水素は燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないことから、脱炭素化社会に向けた次世代エネルギーとして日本は力を入れている。

(佐古田麻優)