- 利上げ必要とパウエル議長証言、円が対ドルで昨年11月以来の安値
- ビジョン・ファンド追加人員削減、連銀総裁2氏、「独裁者」に反発
香港では2月にたばこ税が31%引き上げられ、その後もたばこの値段が急ピッチで上昇。政府は向こう3年で喫煙者数を10万人減らす目標を掲げています。シンガポールも今年に入って、たばこ税を15%引き上げました。アジアの金融ハブは、喫煙者にとってはやや居心地の悪い場所になっているかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
金利上昇が必要
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、米経済成長を長期の潜在成長率を下回るペースに減速させ、物価圧力を抑制するために、政策当局者らは金利が上昇する必要があるとみていると述べた。米下院金融委員会で半期に一度の議会証言に臨んだ。パウエル議長は、インフレ率を目標の2%へと戻すことに引き続き強くコミットしていると発言。質疑応答では、向こう数カ月に利上げを継続するが、ペースはより緩やかなものにすることが理にかなう可能性があるとの認識を示した。
昨年11月以来の円安水準
21日のニューヨーク外国為替市場で円が下落し、一時は昨年11月以来の安値を付けた。パウエルFRB議長がこの日、金利は上昇する必要があるとみていると発言し、日米金融政策の見通しの差が浮き彫りとなった。鈴木俊一財務相ら日本の当局者は、為替動向を注視し、必要であれば行動する用意があると警告している。円は一時0.6%安の1ドル=142円36銭まで下落し、昨年11月11日以来の安値を付けた。
新たな人員削減
ソフトバンクグループはビジョン・ファンドで今週にも新たな人員削減を開始する準備を進めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ビジョン・ファンドでは昨年度に従業員の約30%を削減したばかりだ。関係者の1人によると、今回の削減でビジョン・ファンド従業員の約13%が影響を受ける。対象の大半は米国在勤者だと、非公表の情報だとして匿名を要請した別の関係者が述べた。ビジョン・ファンドの全世界従業員数は3月末時点で349人前後。ビジョン・ファンドの広報担当者はコメントを控えた。
追加利上げに慎重
米アトランタ連銀のボスティック総裁は、政策金利の据え置きを自身は支持しているとし、これまでの利上げによるインフレ鈍化を見極めることは賢明だとの認識を示した。「一段の利上げを正当化するハードルは数カ月前に比べて高くなっている」との見方に同意すると述べた。シカゴ連銀のグールズビー総裁は、先週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での金利据え置き決定について、インフレ抑制に向けて金融引き締めが十分な水準に達しているのか見極める上で「際どい判断」だったとの認識を示した。
「政治的挑発」
中国政府はバイデン米大統領が中国の習近平国家主席を「独裁者」と呼んだことに反発し、「公の場で政治的挑発」を行ったと非難。ブリンケン米国務長官の訪中を通じ米中関係の安定化が図られたばかりだが、両国間の緊張が再び高まる可能性もある。中国外務省の毛寧報道官は定例記者会見で、バイデン氏の発言は「でたらめで、極めて無責任だ」と批判。「基本的な事実と外交儀礼に反しており、中国の政治的尊厳を著しく損ね、公の場での政治的挑発に相当する」と主張し、「中国は強い不満と反対を表明する」と述べた。
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