- パウエル議長は連続利上げ排除せず、植田総裁ハト派変わらず
- プーチン氏が盤石演出、日産・ルノー交渉、「夢の国」に女性CEO
欧州中央銀行(ECB)がポルトガルのシントラで主催したパネル討論会では、日米の金融政策姿勢の差があらためて浮き彫りになりました。2024年を通じて米利下げがなければ、1ドル=160円が視野に入り得るとの声も一部で出ています。仮にそうなれば、米国で食べるビッグマックのセットは2000円近くになる計算。円安と低賃金を背景に「海外出稼ぎ」に出る若者がいる一方、アルバイトで貯めたお金で外国に行こうと考える若者が減るのは無理もないかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
連続利上げ排除せず
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、7月と9月の会合で政策金利を引き上げる可能性があると示唆した。パネル討論会でパウエル議長は「インフレ率が急激に低下し、2%への軌道に乗ったと確信できれば、それは異なった状況になるだろう」と発言。「そうなれば政策の緩和について考え始めることになる。だがそうした状況からはまだ程遠い。現時点でそうしたことは考えていないし、近い将来にもない」と述べた。
難しいかじ取り
日本銀行の植田和男総裁は、来年インフレが上向くと確信を持てれば、金融政策の正常化に着手することはあり得るとの考えを示唆した。総裁は、今のところは基調的なインフレが2%を下回っているとした上で、日銀の想定では年末にかけてインフレの伸びは鈍化する見通しだと述べた。円相場については「日銀の政策以外のさまざまな要因から影響を受けている」とし、「動向を極めて注意深く監視する」と述べた。政府当局者から円安進行をけん制する発言が相次いでおり、植田総裁は物価安定の目標達成に向けて難しいかじ取りを迫られている。
盤石演出は「滑稽」
ロシアのプーチン大統領は今週、民間軍事会社ワグネルによる劇的な反乱の収束後も国内支配に揺るぎがないことを示そうとしている。だが、政府内や実業界幹部の有力者の多くはそう考えていない。政権内部の関係者にとって、今回の反乱はプーチン氏がこれまで慎重に築いてきたイメージを跡形もなく打ち砕いた。70歳のプーチン氏はますます現実に疎くなり、かつてならできたような方法で事態を管理することが不可能になっていることを浮き彫りにしたと、複数の関係者は語った。
重要なステップ
日産自動車と仏ルノーは29日、三菱自動車も含めたアライアンス(企業連合)の会合を横浜で開き、日産によるルノーの電気自動車(EV)新会社への出資などについて協議する。資本関係の見直しとセットで進めてきたEV新会社への出資協議を完了させるための重要なステップとなる。協議がまとまれば、ゴーン元会長の逮捕などを経て混乱が続いていた両者の関係が安定し、米テスラや中国勢など新たな勢力が台頭する中でEVなど新しい分野での協業に注力できる可能性がある。
初の女性CEO
オリエンタルランドに29日、初の女性最高経営責任者(CEO)が誕生する。高野由美子副社長が会長兼CEOに昇進する人事を、株主総会での承認後に取締役会で決定する。ブルームバーグデータによると、28日終値でオリランドの時価総額は約10兆3500億円。トヨタ自動車を筆頭に時価総額が10兆円を上回る9銘柄の一角に位置する。10月からは入園料が最大で1万円を超えることも決まり、来園者の気持ちをつかんで離さない経営への手腕が問われそうだ。
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