- サウジが減産継続、米製造業活動が低調、米国債の逆イールド進行
- 中国が半導体原材料の輸出を規制、BofAがFRBと協議入り
ブルームバーグのビリオネア指数によれば電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は1-6月(上期)に資産が966億ドル(約14兆円)増え、世界の富豪500人の中で首位となりました。3日の米株式市場でテスラは6.9%高で終了。マスク氏はテスラ株を約13%保有しており、この日の株価上昇で資産はさらに増えたことになります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
減産継続
サウジアラビアは自主的な原油減産を1カ月延長する。世界経済への懸念が根強い中で供給量の抑制を続ける。国営サウジ通信(SPA)が報じた声明によると、サウジは石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」で合意された減産に加えて、7月から始めた日量100万バレルの自主減産を8月も実施する。さらに延長する可能性もあるという。OPECプラスでサウジと連携するロシアも原油輸出を削減する計画を明らかにした。
3年ぶり低水準
米供給管理協会(ISM)が発表した6月の製造業総合景況指数は46に低下し、8カ月連続での活動縮小を示した。生産や雇用、仕入れ価格などの指数が下がり、総合指数は約3年ぶりの低水準となった。ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は発表文で、「需要は依然弱く、仕事不足から生産は減速しつつある」と指摘した。
逆イールド進行
3日の米国債市場で、主要年限の逆イールド(長短利回りの逆転)現象が数十年来の大きな幅に迫った。米金融政策のさらなる引き締めが予想されていることが背景にある。2年債利回りは4.96%に上昇し、10年債利回りを最大110.8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回った。ブルームバーグがまとめたデータによれば、2-10年債の逆イールドは3月に110.9bpに達し、1980年代初期以来で最大に開いていた。
輸出規制
中国は、半導体などの製造に利用される2種類の金属に輸出制限措置を講じた。ガリウムとゲルマニウム、およびそれらの化合物が8月1日から輸出規制の対象になる。商務省によれば、これら2つの金属の輸出業者は、輸出を開始・継続する際に同省にライセンス取得の申請を行う必要がある。今回の措置は電子機器の製造コスト上昇につながる可能性が高いほか、高度なコンピューター技術の開発レースを巡り地政学的な緊張を悪化させる恐れがある。
ストレステスト巡り協議
バンク・オブ・アメリカ(BofA)は、米連邦準備制度理事会(FRB)が今年行ったストレステスト(健全性審査)の結果を受け、同行がどのように評価されたのかを理解するためFRBと協議を開始したことを明らかにした。FRBのストレステストで示された予測がBofAの予測より明るい内容だったことが背景にある。BofAは「審査期間の9四半期におけるその他の包括的収入について、FRBによる包括的資本分析(CCAR)の結果と、当行による金融規制改革法(ドッド・フランク法)に基づくストレステストの結果との違いを理解するため」FRBと協議していると説明した。
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