• イタリア「超過利潤」課税を縮小、欧州天然ガス価格が40%急上昇
  • 米インフレ期待指標、アップストア訴訟、中国が麻生氏発言に警告
Residential homes in view of BT Tower and the London Eye at Denmark Hill, London, UK
Residential homes in view of BT Tower and the London Eye at Denmark Hill, London, UK Photographer: Hollie Adams/Bloomberg

英国の若年層が親元を離れる時期が遅くなっています。イングランドとウェールズでの調査によると、親と同居している人は20-24歳で51.2%、30-34歳でも11.6%。10年前に比べてそれぞれ約7ポイント、3ポイント増えました。英国では住宅価格が過去10年余りに大幅上昇。新型コロナ禍の初期と比べると20%超値上がりしており、自立のチャンスが阻まれています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

超過利潤課税を一部撤回

イタリア政府は銀行の「超過利潤」に課す新税の一部を撤回し、多くの銀行にとって影響を抑制する措置を導入すると説明した。新税の発表で同国主要銀行の株価が急落、時価総額が合計約100億ドル(約1兆4300億円)失われたこともあり、市場の混乱収拾を図った。同国財務省は、新税による徴収税額は対象企業の資産の0.1%を超えることはなく、預金者向けの金利をすでに引き上げている銀行には「この規則の結果、重大な影響が及ぶことはない」と発表した。

ガス価格40%急騰

欧州の天然ガス先物価格が一時40%高と、2022年3月以来の大幅上昇を記録。今年6月以降で初めて1メガワット時当たり40ユーロを上回った。オーストラリアの一部施設で労働者がストライキを起こす可能性があり、液化天然ガス(LNG)の供給リスクが強まった。シェブロンおよびウッドサイド・エナジー・グループの豪州施設で働く労働者がスト実施を決定。同国からのLNG輸出に影響が及び、LNG市場の需給が世界的に引き締まる恐れが出てきた。ストが決行される場合の時期は今のところ明らかではない。

FRB封じ込めに疑問符

債券市場が注目する長期の米インフレ期待指標が、9年ぶりの水準に向かって上昇している。米金融当局が長年にわたり物価上昇圧力と格闘せざるを得ないとの懸念を反映している可能性がある。2028年から始まる5年先5年物ブレークイーブンレートは2.5%前後まで上昇。今回の利上げサイクルのピークである22年4月の水準に迫った。昨年4月のこの水準は14年以来の高さだった。MUFGセキュリティーズアメリカの米国マクロ戦略責任者、ジョージ・ゴンカルベス氏は、同ブレークイーブンレートで2.75%あるいは3%を目指すような動きとなれば市場のインフレ心理の変化を意味することになり、「米金融当局が2%のインフレ目標を維持できるかどうか疑問符がつくだろう」と指摘した。

当面は維持可能と判断

米アップルのアプリ市場「アップストア」を巡りゲームソフトメーカーのエピックゲームズが起こした訴訟で、米連邦最高裁判所は、アップルは当面、アップストアの課金制度を維持できるとの判断を示した。人気ゲーム「フォートナイト」を開発したエピックは、アプリの開発業者がiPhone(アイフォーン)ユーザーを他のシステムに誘導できるようにするべきだと訴えていた。最高裁のケーガン判事は連邦高裁の決定を即時発効させることはないと述べ、エピックの要求を退けた。

麻生氏の発言に警告

自民党の麻生太郎副総裁が台湾訪問の際に日米や台湾は「戦う覚悟」を示す必要があると発言したことを受け、中国は日本に対し「再び道を誤ることがないよう」警告した。在日本中国大使館は、麻生氏の発言は「中国の内政に著しく干渉するものであり、台湾海峡の安定を損ねた」と主張。中国外務省もこの後、「海峡を巡る緊張をあおるだけでなく、反目と対立を図り、中国の内政に対するあからさまな干渉を狙った無責任な発言だ」との声明を発表した。

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