• 英中銀が予想外0.5ポイント利上げ、年内追加利上げをパウエル氏示唆
  • ボウマンFRB理事、スイスやトルコも引き上げ、米商業不動産業界
The Chicago Board Options Exchange at the Old Post Office building in the Loop neighborhood of Chicago, Illinois, US Photographer: Christopher Dilts/Bloomberg

リモート勤務をやめてオフィスに復帰する動きが広がりつつあるが、復帰ペースは女性より男性の方が速い。米労働省は米国内の状況について、最新の調査結果を明らかにしました。男性の場合、自宅で終日あるいは一定時間を働く人の割合は、2021年に35.3%でしたが、22年には28%に低下。一方、女性では21年に41.5%で22年は41%と、わずかに低下したに過ぎません。背景には、家事や子どもの世話などを女性がより多く負担している状況がありそうです。米国で見られるこうした性別による差、日本ではどうか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

英国の利上げペース加速

イングランド銀行(英中央銀行)は大方の予想に反し政策金利を0.5ポイント引き上げ、5%とした。1980年代以降で最悪のインフレを抑え込む取り組みを強化し、追加利上げが必要な可能性も警告した。金融政策委員会(MPC)は7対2で5%への利上げを決定。2月以来の大幅引き上げとなった。ベイリー総裁率いるMPCは、金利がさらに高水準へ向かうとの従来のガイダンスを維持。金利が来年序盤に6%前後でピークを付けるとの市場予想を否定しなかった。

米国は年内1、2回の引き上げも

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は上院銀行委員会で証言し、インフレ率を2%に回帰させることが米経済の長期的な健全性を支援する上で不可欠だとの認識を示した。年内に1、2回の追加利上げが必要となる可能性があるとも述べた。「年内に再び、恐らく2回の利上げを行うことが適切になる」と政策当局は感じていると発言。「われわれはインフレ抑制にコミットしている。連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の大多数は、そこに近づいているが、もう少し利上げの余地が残っていると感じている」と述べた。

追加利上げ必要と明言

ボウマンFRB理事は「インフレ率を時間とともに当局目標に引き下げるため、追加利上げが必要になると考えている」とFRBのイベントで発言した。「コアインフレは2022年秋以降、基本的に横ばい状態が続いている」とし、「金融政策スタンスを十分に景気抑制的にするためにフェデラルファンド(FF)金利を一段と引き上げる必要があるとみている。それがインフレを有意に、また持続的に押し下げることになる」と述べた。

トルコ利上げ幅に市場失望

英国以外でも中銀の金融政策発表が相次いだ。スイス中銀は政策金利を0.25ポイント引き上げ1.75%とした。1年前の引き締め開始以降で最も小幅な利上げだが、インフレ抑制のため追加利上げする可能性も示唆した。ノルウェー中銀は政策金利を0.5ポイント引き上げて3.75%に設定。2021年9月以降11回目の利上げとなる。トルコ中銀は政策金利を15%に引き上げたが、利上げ幅はエコノミスト予想の大半を大幅に下回った。これを受け、トルコ・リラは対ドルで最安値を更新した。

不良資産が膨らむ

米商業不動産業界では問題が広がりつつあり、不良資産の総額は今年1-3月(第1四半期)に10%増加し640億ドル(約9兆1400億円)近くに膨らんだ。調査会社MSCIリアル・アセッツの最新のリポートで明らかになった。それによれば、近い将来に問題となり得る商業用不動産は1550億ドル近くに上る。調査担当者は「潜在的なディストレスが本格的な問題に発展すれば、不良資産売却の増加と価格下落は避けられないだろう」と指摘した。

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