• ガザ南部に60万人超が避難、トレーダーは乱高下に身構え
  • 介入の条件見当たらず、大手ハイテクが救世主か、超党派協議

米利上げを巡る思惑などで既に揺れる市場は、中東で紛争が拡大すれば世界的なリセッションにつながるリスクにも直面しており、荒い展開が続きそうです。為替トレーダーは今のところ米金融当局の動向をより注視しているとの声もある中、19日にはパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演の予定。今週は米企業決算も本格化します。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

60万人超が避難

イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地上侵攻の構えを見せる中、戦闘がさらに激化して他の地域に飛び火するのを避けようと、米国や欧州、中東の各政府は懸命な外交努力を重ねている。ブリンケン米国務長官は16日にイスラエルを再び訪問する。米国はここ数日にイランと非公式ルートで協議を実施し、戦闘をエスカレートさせないよう警告した。エジプトのシシ大統領は、イスラム組織ハマスの奇襲攻撃に対するイスラエルの対応は「自衛の範囲を超えている」との見解を示した。ガザ市とその周辺から60万人余りがガザ南部に移動したと、イスラエル国防軍は見積もっている。

乱高下に身構え

世界の金融市場でトレーダーは相場の乱高下に身構えている。中東での紛争継続で逃避先資産への需要は高まっており、投資家は世界的な金利見通しの再考も余儀なくされている。為替市場では、安全通貨とみなされるドルや円、スイスフランの動きに注目が集まりそうだ。豪ドルなどリスクに敏感な通貨は再び売り圧力にさらされる可能性がある。コロンビア・スレッドニードルのストラテジスト、エド・アルフセイニ氏は、マクロ環境の悪化に金利の急変動が重なり、世界的にボラティリティーが高まる「舞台が整った」と述べた。

条件整っていない

日本が円相場を支えるために為替市場で介入を余儀なくされる要素はないと、国際通貨基金(IMF)は認識している。IMFアジア太平洋局のサンジャヤ・パンス副局長は14日、モロッコのマラケシュで記者団に対し、「該当する条件は見当たらない」と発言。パンス氏によれば、円安は主に金利差が要因であり、経済のファンダメンタルズを反映している。介入の必要性を裏付けるような主要基準である市場の機能不全や、金融安定へのリスク、制御不能になったインフレ期待をIMFは認識していないと同氏は述べた。

またも救世主か

米株式市場では懸念材料が日に日に増えているように見えるが、そうした中で投資家が決算シーズンに向けて頼りにするのは、またしても大手ハイテク企業だ。S&P500種株価指数の時価総額全体の約25%を占めるアップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、エヌビディアの5社は、7-9月利益が平均34%増と見込まれている。同5社がなければS&P500種は約5%の減収に直面することになる。18日にはネットフリックスとテスラが四半期決算を発表する。

超党派の協議進行

米下院議長探しにおける超党派の解決策について、民主党は共和党議員らと非公式協議を行っている。民主党のジェフリーズ下院院内総務が明らかにした。「16日にワシントンに戻ったら、こうした話し合いを正式に始めることが重要だ」と同氏は述べた。共和党はマッカーシー氏解任で空席となった下院議長の候補として、保守派の急先鋒であるジョーダン下院議員を指名。ただ同議員の強硬的な姿勢などを穏健派議員らは懸念しており、党内には反発も強い。

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