- ガザ難民キャンプで爆発、ユーロ圏インフレ率が低下、米四半期入札
- トヨタのEV戦略、コーン氏が共和党ヘイリー氏のイベント共催
高金利とインフレの挟み撃ちにあっている米経済。最近では「ゴルディロックス」やソフトランディング(軟着陸)といった楽観的な表現は鳴りを潜め、代わりに財政を懸念する声が増えたように見受けられます。11月1日の経済ニュースではクオータリーリファンディング(四半期定例入札)の規模が、金利据え置きが予想されている連邦公開市場委員会(FOMC)から主役の座を奪うとの見方も。米国債利回りが乱高下した10月に、市場の注目は政策金利から市場金利に移ったのかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
難民キャンプ
イスラム組織ハマスは多数の外国人人質を数日内に解放すると表明した。一方、パレスチナ自治区ガザ内部での戦闘は激しさを増している。ガザのジャバリア難民キャンプで爆発が起き、数十人の死傷者が出たと報じられている。ハマスが支配するガザの保健当局者によると、同キャンプはイスラエル軍に繰り返し空爆された。イスラエル軍は同地域の攻撃はハマスのインフラ設備が標的で、ハマス幹部を殺害したと説明。ガザ北部での戦闘でイスラエル軍兵士2人が死亡したとも明らかにした。
インフレ率3%割れ
ユーロ圏のインフレ率は約2年ぶりの低水準に減速し、域内経済はマイナス成長となった。欧州中央銀行(ECB)が進めた前例のない急ピッチの連続利上げが影響を及ぼしている。ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)は10月に前年同月比2.9%上昇と、前月の4.3%上昇から減速。予想中央値の3.1%上昇も下回った。7-9月(第3四半期)の域内総生産(GDP)は前期比0.1%減少した。市場予想は前期比変わらずだった。
増加幅は縮小か
財務省は来週実施するクオータリーリファンディング(四半期定例入札)の詳細を11月1日に発表する。ディーラーの予想コンセンサスは、3年債と10年債、30年債を合わせた発行規模が1140億ドル(約17兆2000億円)。3カ月前の1030億ドルから増加すると見込んでいる。23社のうち9社は、前四半期に比べて少ない増加幅を予想。ウェルズ・ファーゴのストラテジストは、「前回のリファンディング発表後に10年債利回りが上振れしたことを、財務省の当局者らは快く思っていないはずだ」と24日付のリポートで指摘した。
新しいアプローチ
トヨタ自動車は純電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)向けのバッテリーを製造するノースカロライナ州工場に80億ドル(約1兆2000億円)を追加投資する。すでに発表されている2本のバッテリー製造ラインに加え、新たに8本のラインを順次立ち上げる。同工場への累計投資額は139億ドルに達するという。トヨタは競合勢の多くと比べて、EVに対して慎重なアプローチをとってきたが、米国では、より強固なEV戦略への基盤を静かに築いている。
外交に強み
元ゴールドマン・サックス・グループ社長のゲーリー・コーン氏は、11月14日にニューヨークで開かれるニッキー・ヘイリー元米国連大使の資金調達イベントを共同主催する。ヘイリー氏は2024年米大統領選挙の共和党候補指名をトランプ前大統領らと争っている。国家経済会議(NEC)委員長としてトランプ政権を支えたコーン氏がイベントを共同主催することは、最近支持率が上昇しているヘイリー氏に大きな追い風となる。ヘイリー氏は初回と2回目の候補者討論会で際立ったパフォーマンスを見せ、世論調査で支持率が上昇。共和党の大物献金者から新たな関心を集めている。
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