▽トランプ氏、なぜ強い? 多数派失う白人の「怒り」力に―保守派論客アビク・ロイ氏<時事ドットコム>2023年11月05日07時07分
【ワシントン時事】2020年米大統領選で敗北し、4度にわたり刑事訴追されたトランプ前大統領。なぜ今も一部の共和党支持層に熱狂的な人気を誇るのか。保守系シンクタンク「機会均等研究財団」のアビク・ロイ会長に聞いた。
―トランプ氏は共和党の候補者指名争いを優位に進めている。
トランプ氏は他の候補者よりも、はるかに知名度がある。序盤に予備選が行われる州では他候補にも関心が向くだろうが、最終的にトランプ氏が指名を獲得する可能性が最も高い。
―トランプ氏が主張する「米国の衰退」とは。
米国の生活水準は世界的に見て高いが、国民は「不幸だ」と感じている。住宅価格や教育・子育てのコストが上昇し、中低所得層を圧迫。地域のつながりが弱まって人々は孤立し、薬物やアルコールによる死が増えた。
さらに人口統計上、白人が多数派から少数派に転じる過渡期にあり、その不安と緊張が政治に反映されている。1980~90年代の共和党は世界中の人々を歓迎した。だが今、「非欧州移民が米国文化を弱体化させた」と感じ、受け入れを制限しようとする新たな国家主義的な運動が起きている。
―16年大統領選では、白人労働者がトランプ氏を支持した。
ブルーカラーの有権者がトランプ氏に引き寄せられたのは、社会の特定のグループに不快感を与えないよう配慮する「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)」への不満だ。「エリートが私たちの発言や振る舞いを指図している」と感じ、これに敵意を示すトランプ氏を歓迎した。
―トランプ氏の支持層には、政府の破壊を掲げるアナキストのような勢力もある。
怒りに満ちた不機嫌な有権者だ。イデオロギーで政治を考えず、システムから疎外された人々だ。彼らの目標は勝つことではない。「負けても信念に忠実でありたい」と考える。非現実的で、物事を実行しない政治家にも投票する。米国が白人の国でなくなることへの不安が原動力だとすれば、その変化は止められない。彼らは怒る以外ないのだ。
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