• 日本製鉄がUSスチール買収、FRB当局者が利下げ観測けん制
  • S&P500種の目標引き上げ、エネルギー輸送に混乱、アップル

ダイヤモンドの値段が再び上昇する可能性が出てきました。価格急落に歯止めをかけようと供給を停止していたダイヤ生産大手2社が販売を再開。ロシアのアルロサは約2カ月ぶりに原石販売を行い、1億ドル(約143億円)余りを売却したほか、英国本社のデビアスも同様の規模を売り出したようです。新型コロナ禍の巣ごもり需要で活況となった同業界は、経済再開に伴う需要減で過剰在庫に見舞われることに。人工ダイヤの台頭も向かい風となりました。業界の持続的な回復には中国の春節(旧正月)まで続くホリデー期間の力強い宝石需要が鍵となりそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

総額約2兆円で買収

日本製鉄は米鉄鋼大手USスチールを1株55ドルで買収すると発表した。買収総額は約2兆円で、2024年第2四半期または第3四半期の実行を予定する。日本製鉄はUSスチールを完全子会社化する予定。買収額には新株予約権など、その他証券取得に関する支払いも含まれる。USスチール株式の15日の終値(39.33ドル)に対して40%のプレミアムを加えた価格となる。発表を受けてUSスチールの株価は急騰した。一方、全米鉄鋼労働組合(USW)は、日本製鉄によるUSスチール買収に反対を表明した。

市場の反応に困惑

シカゴ連銀のグールズビー総裁は、先週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に公表した四半期の経済・金利予測に対し、市場が示した反応に困惑していると述べた。CNBCとのインタビューで、米金融当局は市場がどう反応するかを考えて行動すべきではないとも語った。クリーブランド連銀のメスター総裁は、来年早期の利下げを織り込んでいる金融市場について、政策の正常化について「少し先走っている」とけん制した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューでの発言。

目標を9%上方修正

ゴールドマン・サックス・グループのストラテジスト陣は、S&P500種株価指数の2024年ターゲットを設定してからわずか1カ月で上方修正した。11月半ば時点の予想4700からさらに約9%引き上げ、5100に達すると見込む。先週の米金融当局によるハト派転換やインフレ鈍化に伴い、実質利回りは低下し、株価のバリュエーションを下支えするだろうと、デービッド・コスティン氏率いるチームがリポートで指摘。「株式はすでに前向きな経済活動を織り込んでいたが、足元ではさらに強固な見通しを反映している」と述べた。

紅海通航を一時停止

英石油大手BPは、紅海を経由する全ての輸送を一時停止する。イエメンの親イラン武装組織フーシ派による商船への攻撃が増えていることを受けた措置。こうした攻撃がエスカレートして以降、エネルギー輸送に混乱を及ぼす最も具体的な兆候だ。先週末には海運大手各社が紅海の通航を見合わせると発表していた。BPの措置は同社が所有およびチャーターする全ての船舶に適用される。これを受けて、18日の原油先物相場は上昇した。

米国で販売停止へ

アップルは特許紛争を理由にスマートウオッチ最新モデルの米国での販売を停止する。対象機種はホリデー商戦の最中で売り場から姿を消すことになる。Apple Watchの「シリーズ9」と「ウルトラ2」はオンラインストアでは12月21日から、実店舗ではクリスマスイブの24日から販売が停止される。これは血中酸素センサー搭載モデルの輸入禁止が予想されるのに先駆けた措置。同センサー搭載機を巡っては、医療機器メーカーのマシモとの間で法廷闘争となっている。

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