- 中国が株式取引制限を強化、米利下げ開始までの距離探る
- 今年の世界半導体販売予想、強さ続く米非製造業、減量薬増産を準備
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は4日に放映されたCBSのインタビューで、専門用語を排除した平易な表現でインフレの仕組みを説明しました。まずコロナ禍で郊外への引っ越しや公共交通機関の敬遠が進み、自家用車の購入が急増。自動車に多数使用される半導体が不足した結果、物の生産が難しくなり、品不足と価格上昇に拍車がかかったのだと。コロナ禍での生活変化は誰もが経験したこと。日曜夕食時の長寿番組を見ている視聴者に、わかり易い言葉でメッセージを届けようとする意図が伺われます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
歯止め狙い
中国は国内機関投資家や一部のオフショア部門を対象に、株式取引の制限を強化した。一部の証券会社が顧客と行うクロスボーダーのトータルリターンスワップ(原資産のキャピタルゲイン・インカムゲインなどを全て含むリターンと事前に取り決めた金利を交換する取引)に今週、上限を設定。中国を拠点とする投資家が香港株のショートに利用し得る手段を制限した。同時にこの手段をオフショア部門の本土株購入に利用している一部の中国証券会社は、ポジションを削減しないよう当局に指示されたという。
データ次第
シカゴ連銀のグールズビー総裁はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「過去7カ月にわたってかなり良好なインフレの統計が続いている」と指摘、「これまで得られたようなデータの発表が続けば、正常化への道筋をはっきりと進むことになるはずだ」と述べた。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合まで何週間もある中、具体的な決定にはコミットしたくないと改めて表明した。これより先、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は寄稿文で、FOMCには利下げに動く前に経済データを精査する時間があると指摘。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を経て経済が変化したとの認識を示した。
見通し明るい
米半導体工業会(SIA)は今年の世界販売が記録的な水準に跳ね上がり、半導体業界が急回復を遂げるとの見通しを示した。今年の売上高は13%増の約6000億ドル(89兆2000億円)に達する見通し。2023年の世界売上高は8.2%減の5268億ドル。ただ、下期に販売が上向いたことで落ち込み幅が緩和されたとしている。SIAのジョン・ニューファー会長は「世界が依存する無数の製品において、半導体はより大きく、より重要な役割を果たしており、半導体市場の長期的な見通しは極めて明るい」と述べた。
予想より強い
米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業総合景況指数は53.4に上昇し、4カ月ぶりの高水準。受注や雇用の改善が寄与した。雇用は前月から6.7ポイント上昇の50.5と、拡大圏に持ち直した。一方、仕入れ価格指数は7.3ポイント上昇して64.0。2012年以来の大幅上昇で、水準としては昨年2月以来の高さとなった。コスト上昇ペースの加速を示している。
需要に対応
デンマークの医薬品メーカー、ノボ・ノルディスクは肥満症治療薬「ウゴービ」と糖尿病治療薬「オゼンピック」の需要急増に対応するため、製造工場3カ所を110億ドル(約1兆6350億円)で取得することで合意した。ノボの親会社ノボ・ホールディングスは同日、工場の所有者である医薬品受託製造の米キャタレントを165億ドルで買収することで合意。キャタレント買収は、同社の株式を保有するアクティビスト(物言う投資家)の米ヘッジファンド運営会社、エリオット・インベストメント・マネジメントの支持を得ている。
その他の注目ニュース
プライベートレンダー過去最大案件、銀行が阻止-社債での調達に (1)
日銀マイナス金利解除の判断材料に、市場の注目集める24年春闘