- 商業用不動産の問題が欧州にも波及か、NYCBがリスク低減に動く
- リーク先にシタデル、中国証監会トップ更迭、テスラでレイオフか
バロンドール8回受賞の「神の子」。サッカーのリオネル・メッシ選手が国立競技場で行われた親善試合に途中出場し、場内を沸かせました。数日前の香港では試合を欠場し体調が心配されていたため、無事の出場にファンの感激もひとしおといったところでしょう。一方で高額チケットを買いながら香港でメッシのプレーを見られなかった中国のファンは、不満の火に油を注がれた格好です。不調を乗り越えて健在ぶりを見せた36歳のメッシ本人に、怒りの矛先が向かわないことを願わずにはいられません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
2008年の記憶
米商業用不動産市場の問題は欧州にも飛び火し、懸念を広げている。ドイツ金融機関のドイチェ・ファンドブリーフバンク(PBB)は、不動産セクターへのエクスポージャー懸念から社債が急落。7日に「不動産市場の低迷が続いている」ため引当金を積み増したと予定外の発表を行い、現在の混乱を「金融危機以来最大の不動産危機」と表現した。PBBに対する懸念は、商業用不動産へのエクスポージャーを持つ他の銀行にも広がっている。商業用不動産関連の損失がドイツの中小規模の銀行を通じて欧州に波及すれば、2008年のサブプライム危機と同じ構図になる。
リスク低減策
米地銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)は、第三者の投資家から資金を集め、傘下フラッグスター・バンクが抱える住宅ローン債権ポートフォリオに流動性を注入することを模索している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。金利が低かった時期に組成された約50億ドル(約7400億円)相当の住宅ローン債権ポートフォリオを裏付けとする、シンセティック(合成)証券化商品の活用も選択肢に含まれる。別の関係者らによると、レクリエーショナルビークル(RV、多目的レジャー車)ローンなどのポートフォリオ約10億ドル相当の売却も模索している。
リーク先リスト
モルガン・スタンレーが特定の顧客に、予定されている大口の株式取引に関する情報をリークしたとして米当局の処罰を受けた際、情報提供先にはケン・グリフィン氏の巨大ヘッジファンド運営会社、シタデルが含まれていた。事情に詳しい複数の関係者によれば、シタデルのほかにもCaaSキャピタル・マネジメントやセガンティ・キャピタル・マネジメントなどブロック取引のスペシャリスト企業の担当者も名前を伏せられた形で法的文書に記載されているという。ヘッジファンドが特定の銘柄を空売りし、後に買い戻すことができるようにすることが、情報リークの狙いだったと米司法省と証券取引委員会(SEC)はみている。
トップ更迭
中国は証券監督管理委員会(証監会)のトップを更迭した。株式市場が最近激しい売りに見舞われる中で、予想外の人事を発表した。国営新華社通信の報道によると、証監会主席は易会満氏から呉清氏に交代となる。呉氏は銀行業界のベテランで、2000年代半ばにトレーダーに対する締め付けを主導したことから「ブローカー殺し」の異名を取る。上海市共産党委員会副書記だった経歴もある。
レイオフ懸念
米電気自動車(EV)メーカー、テスラの管理職は各従業員のポジションが不可欠かどうか確認するよう求められた。内情を知る複数の関係者が明らかにした。これを受け、従業員の間では人員削減への懸念が高まっている。テスラは一部従業員について半期に一度の人事評価を取りやめた後、各職務について1行の問い合わせを送ったと、一部の関係者は述べた。テスラの成長が著しく減速する中、こうした動きはイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が強調するコスト削減への取り組みと一致する。マスク氏は経営に対する容赦のないアプローチで知られる。
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