- 米小売売上高が約1年ぶり大幅減、米20行余りでローン債権急増
- 商業用不動産の危機、利下げ急がないよう警告、中国半導体株
老朽化が進むニューヨーク市の地下鉄システム。これを近代化するプロジェクトの実現が危うくなってきました。ニューヨーク州都市交通局(MTA)が新たな建設契約を停止したためです。一部財源としてマンハッタン中心部への自動車乗り入れを有料にする計画でしたが、これで訴訟に直面するなど、不透明感が続いていることが理由のようです。エスカレーターやエレベーターの増設を期待する声も多い中、乗客獲得につながるリニューアルのプログラムは大幅に縮小されそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
消費に一服感
1月の米小売売上高は前月比0.8%減と約1年ぶりの大幅減となった。昨年末ホリデー期間の消費は力強く伸びたものの、個人消費には一服感が出ている。13項目のうち9つでマイナス。建設資材店や自動車ディーラーの減少が目立った。国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建設資材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高は0.4%減。昨年3月以来のマイナスとなった。消費者はこれまで力強い経済成長を支え、リセッション(景気後退)を回避する上で一助となってきた。
ローン債権急増
米国では2023年終盤時点で、規制当局が監視強化が必要になり得るとした水準まで商業用不動産ローン債権を抱えている銀行が二十数行あった。当局から引当金の積み増しを迫られる銀行がさらに増える可能性があることを示している。米地銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)は、当局が示した基準に迫った最大規模の銀行だったが、NYCBを超える中小銀行も多くあった。350社余りの銀行持ち株会社が当局に提出したデータをブルームバーグが分析した。
ディストレスト
商業用不動産に融資するドイツの金融機関ドイチェ・ファンドブリーフバンク(PBB)の債券価格が、15日の市場で下落。いっそう深いディストレスト領域に落ち込んだ。米商業用不動産市場への高いエクスポージャーを理由にS&Pグローバル・レーティングが同行の格付けを引き下げたことが嫌気された。S&Pのアナリストらによると、PBBの総与信額に占める不良債権の比率は昨年末で3.9%に急上昇した可能性が高い。オフィスやリテールを中心に商業用不動産に高いエクスポージャーがあるためだという。
さらなる確証必要
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、賃金の上昇がこれまで以上に重要なインフレ要因になっていると指摘し、利下げを急がないよう警告した。ディスインフレは2024年も徐々に進む見通しであるものの、リスクは残っており、物価上昇率が目標の2%に戻りつつあるというさらなる確証が必要だと述べた。「何よりも避けたいのは、性急な決定をして、その結果インフレ率が再び上昇し、さらなる措置を講じなければならなくなることだ。インフレ率が中期的目標の2%となり、それが持続するという確信を持つに足る十分な証拠がまだない」と語った。
長期的な勝ち組
ウォール街では中国株を敬遠する向きが多いが、一部のアナリストは中国の半導体企業を投資対象として検討するよう顧客に伝えている。中国による先端半導体技術へのアクセスを制限しようとする米国の取り組みが、中国国内チップ産業の発展に拍車を掛け、地元企業に大きなチャンスをもたらすという論理だ。サンフォード・C・バーンスタインは中国の北方華創や海光信息技術を挙げ、米国のアプライド・マテリアルズやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などに匹敵する知名度をいずれ有し得ると指摘している。
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