• 米PCEコア価格指数見通し、日本株に海外勢は数兆円の買い余力か
  • 10兆円の鍵は「GU」、エヌビディア死角なし、バフェット氏の憂い

早期の米利下げ期待が後退して外国為替市場ではドル買い優勢が続く中、今週は日米金融政策見通しの手掛かり材料として27日発表の全国消費者物価指数(CPI)、29日発表の米個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まります。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長らが重視するPCE価格指数が上振れすれば、円は昨年11月に付けた1ドル=151円91銭の水準を超え、為替介入に向けた節目として意識される152円を超える円安に進む展開もありそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

険しい道のり

1月米PCEコア価格指数は、1年ぶりの大幅上昇になったとみられる。物価上昇を抑えるための道のりの険しさが浮き彫りになるとともに、利下げを急がない姿勢を示す米金融当局の判断の正しさを裏付けることになりそうだ。食品とエネルギーを除いたPCEコア指数は前月比0.4%上昇の見込み。上昇率は過去2年の大半で低下してきたが、1月は昨年12月に続く2カ月連続の上昇となったと予想される。このデータを3カ月または6カ月ベースで年率換算すると、いずれも2%以上に戻ることになる。

一段高への序章

日経平均株価を30年以上ぶりに史上最高値へ押し上げた日本株上昇の流れは、海外投資家の買い戻しでさらに続きそうだと投資家やストラテジストらはみている。次の焦点は、より多くの上場企業の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も最高値を更新するかどうか。ブルームバーグがまとめた資金フローのデータによると、日本株市場には今後数兆円の海外マネーが戻ってくる可能性があり、市場関係者の間では日経平均がここから10%以上上がると予想する向きもある。

突破の鍵は「GU」

ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、昨年4月の決算説明会で「次は10兆円を目標に成長を加速する」と宣言した。23年8月期の売上高のおよそ3.6倍で、市場に驚きをもって受け止められたが、株価はそれから約4割上昇し、22日には上場来高値を更新した。いまやどう実現させるのか、その道のりに期待と関心が集まる。岡崎健最高財務責任者(CFO)は「ユニクロ」の姉妹ブランド「GU(ジーユー)」の成長力を引き上げることが鍵になるとみている。

エヌビディア死角なし

リサーチ・アフィリエーツ創業者のロブ・アーノット氏は昨年9月、わずか1年で株価が4倍になったエヌビディアの極端なバリュエーションを挙げ、「大いなる市場の妄想の典型」と呼んでバブルを警告した。しかし、それ以降で「バブル」はさらに8000億ドル(約120兆4000億円)ほど膨らんだ。今や最大のリスクは取り残されることだ。バンリオン・キャピタル・マネジメントのシャナ・シッセル最高経営責任者(CEO)は「エヌビディアがうまくいかない可能性を積極的に探しているが、成功ストーリーに本当の穴を見つけるのは難しい」と語った。

バフェット氏の憂い

ウォーレン・バフェット氏が率いる投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは、手元現金水準が過去最高を更新した。バフェット氏は「目を見張るような業績」を達成できるような有意義な案件がないとしている。バークシャーの現金保有高は昨年10-12月(第4四半期)に過去最高の1676億ドル(約25兆2000億円)に膨らんだ。ここ数年、バークシャーは買収を強化してきたが、バフェット氏の名声を高めたような大口の案件を見つけることができず、すぐには展開できないほどの資金を抱えている。

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