- ボルティモア橋崩落、ビザとマスターカードが店舗手数料上限に同意
- 中国でiPhone出荷急減、バイデン氏の支持率上昇、奨学金の返済負担
米国の国歌「星条旗」にはイントロがありません。野球の試合前にその歌が始まると両手にホットドッグとビールを持っていようがとにかく起立し、帽子を脱がなくてはなりません。この神聖なる国家の歌詞を19世紀に書いたのがフランシス・スコット・キー。同氏の名前を冠したボルティモアの橋が崩落しました。全米に衝撃を与えた想定外のインフラ事故は、米東海岸で重要な陸路と海路をブロック。サプライチェーン障害を通じた経済全体への影響はこれから明らかになってきます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
人命とサプライチェーン
米メリーランド州ボルティモアの大型連絡橋が、デンマークの海運大手APモラー・マースクがチャーターしたコンテナ船に衝突されて崩落した。事故が起きたのは現地時間26日未明。消防当局によると、現場で2人が救助された。7人が水中に落下したとみられるという。バイデン大統領はホワイトハウスで記者団に対し、できるだけ早い港の再開に向けて「あらん限りの力で」取り組むよう関係当局に指示したと述べた。衝突はあらゆる情報から「悲惨な事故だったことが示唆される」とし、「意図のある行為」ではないとも述べた。ボルティモア港は貨物取り扱いの量と金額で全米最大級で、自動車では米国トップ。
反トラスト決着
米クレジットカード大手のビザとマスターカードは、加盟店などの事業者に課す決済手数料「スワイプフィー」に上限を設けることで同意した。事業者側には5年間で300億ドル(約4兆5400億円)以上のコスト節減が見込まれ、反トラスト訴訟の決着としては過去最大級となる。ビザかマスターカードのクレジットカードを使う消費者に対し、小売業者は追加料金を会計時に請求でき、低コストのクレジットカードに顧客を誘導することが可能になる。
2カ月連続で急減
米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の中国出荷台数が2月、前年同月比で約33%減少した。中国政府データによると、国外ブランドのスマホ出荷台数は2月に約240万台。この出荷台数の大半をアップルが占める。中国以外のメーカーで有意な市場シェアを維持しているのはアップルだけだ。アイフォーンの出荷減少は2カ月連続。1月の出荷台数は約550万台で、前年比およそ39%減だった。
追い上げ
バイデン米大統領の支持率が激戦7州のうち6州で上向いたことが、ブルームバーグ・ニュースとモーニング・コンサルタントが行った最新の月次世論調査で分かった。バイデン氏の一般教書演説が民主党支持者を結束させ、アキレス腱(けん)となっている高齢不安を和らげたとみられる。変化はウィスコンシン州でとりわけ顕著で、バイデン氏はトランプ氏を1ポイントリードしている。前回2月の調査では4ポイントの差をつけられていた。先月トランプ氏が6ポイントの差をつけていたペンシルベニア州では、バイデン氏とトランプ氏の支持率が並んだ。ミシガン州でも両氏の支持率は五分五分だ。
金利ある世界
日本学生支援機構(JASSO)から有利子奨学金を受けている学生は、2022年度に66万5000人。同機関の調査では、大学生の2人に1人は何らかの奨学金を利用している。JASSOの固定金利は過去2年で2倍に上昇し、学生たちは金利方式や繰り上げ返済など返済計画の再検討に動き始めている。若年層の金銭的負担が増えれば、消費を冷やす要因になり、長期的には将来への不安から少子化を助長する恐れもある。
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