▽円が対ドルで上げ加速、一時153円台-円買い介入の観測浮上<bloomberg日本語版>2024年5月2日 5:20 JST
宮井伸明
1日夕方のニューヨーク外国為替市場で円がドルに対して一時3%上昇し、153円04銭を付けた。日本が祝日だった4月29日に一時160円17銭と約34年ぶりの安値を更新後に急騰した際の154円54銭を超えて買われた。市場では、日本の通貨当局が円買い介入を実施している可能性があるとの観測が浮上している。その後の2日の東京市場朝に円は155円台に戻している。
米連邦公開市場委員会(FOMC)はインフレについて再び懸念していることを示唆し、利下げを開始するには物価上昇ペースが鈍化していることを示すさらなる証拠が必要だと改めて指摘した。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会合後の記者会見で、「今年はこれまでのところ、特に確信を深められるようなデータは得られていない」と発言。「インフレに関する指標は予想を上回っている。確信を強めるまで、従来の想定よりも時間がかかりそうだ」と述べた。
29日の円急騰を受けて通貨当局による介入の可能性が意識される中、財務省の神田真人財務官は30日、介入の有無についてコメントを避けた上で「過度な変動が投機で発生すると国民生活に悪影響」だと発言。24時間体制で対応すると述べた。
日本銀行が公表した5月1日分の当座預金増減要因の予測値からは、5兆円強の介入が行われた可能性が示されている。
29日の為替介入は5.5兆円規模の可能性、日銀当座預金見通しが示唆
市場では日銀の植田和男総裁が4月26日の会見で、円安が輸入インフレにそこまで影響を及ぼしていないと述べたことをハト派的と捉え、円売りが加速。一方、米国では粘着的なインフレ圧力を背景に利下げ観測が後退し、日米金利差を背景とした円安基調が続いてきた。
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