Rita Nazareth
- S&P500は週間ベースで4週連続高、2月以来の長期連続上昇局面
- 円は対ドルで一時155円25銭まで上昇、米国債利回り上昇
17日の米株式市場では、S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均が上昇して引けた。ダウ平均は最終盤に上値を伸ばし、史上初めて終値で4万ドル台に乗せた。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 5303.27 | 6.17 | 0.12% |
ダウ工業株30種平均 | 40003.59 | 134.21 | 0.34% |
ナスダック総合指数 | 16685.97 | -12.35 | -0.07% |
ブルーチップ・デーリー・トレンド・リポートのラリー・テンタレリ氏は「強気スタンスを維持する」とし、「ゴルディロックスのシナリオが続けば」、ダウ平均が年内に4万2500ドルへと上昇する土台が作られると述べた。
S&P500種は週間ベースでは4週連続高と、2月以来の長期連続上昇局面となった。今週発表された米消費者物価指数(CPI)などの物価統計で利下げ観測が再び強まったことや、底堅い企業業績が背景。市場の注目は、22日に発表される半導体大手エヌビディア決算に移りつつある。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・ヘーフェル最高投資責任者(CIO)は「インフレ圧力がもっと急速に和らぐ、あるいは企業利益の伸びが力強さを増せば、S&P500種は年末までに5500に達する可能性がある」と述べた。
S&P500種は5300を上回って引けた。大手ハイテク銘柄はまちまちで、テスラが上昇し、エヌビディアは下落した。
ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのテクニカル戦略責任者、マーク・ニュートン氏は「強気姿勢でいるのが正しく、S&P500種が5400へとさらに上昇する上で、値固めが同指数の魅力をさらに増すことになる」と述べた。
ビデオゲーム小売りのゲームストップは3日連続で大幅安。最大4500万株のクラスA株を売却する可能性と2-4月(第1四半期)暫定決算の減収を明らかにした。ソーシャルメディアのレディットは上昇。オープンAIとの提携が好感された。
シティグループのスコット・クロナート氏は「ここ数週間、個人投資家に人気の銘柄の上下両方向への非常に大きな値動きが話題になっている」とし、「従来の論理で説明するのは困難だが、依然として流動性があふれていることを示す」と分析した。
米国債相場は続落(利回り上昇)。大きな手掛かり材料はなく、前日の流れが継続した格好だった。
午後に入って原油先物が一段高となったことを受け、利回りはさらに上昇した。
国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.56% | 4.8 | 1.07% |
米10年債利回り | 4.42% | 4.5 | 1.02% |
米2年債利回り | 4.82% | 2.9 | 0.61% |
米東部時間 | 16時57分 |
米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事はこの日、インフレが「当面」高止まりするとの予想を改めて示したが、政策金利を現行水準に維持すれば、いずれは物価上昇圧力が後退するだろうと述べた。
ボウマンFRB理事、インフレは「当面」高止まりー金利維持で鈍化へ
マイケル・ハートネット氏率いるバンク・オブ・アメリカ(BofA)のチームは、マクロ経済環境の軟化を受けて2024年後半には長期債が復活すると予想した。
長期債は年後半に復活へ、マクロ経済環境軟化で-ハートネット氏
ニューヨーク外国為替市場でドル指数は小幅安。朝方は上昇していたが、下げに転じた。同指数は週間ベースでも下落。今週発表された米経済指標は弱めの内容が多く、年内の米利下げ観測を支える格好となった。
円は対ドルで小幅に下落し、1ドル=155円台後半。一時155円25銭まで上昇する場面もあった。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1245.03 | -0.39 | -0.03% |
ドル/円 | ¥155.67 | ¥0.28 | 0.18% |
ユーロ/ドル | $1.0869 | $0.0002 | 0.02% |
米東部時間 | 16時57分 |
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は週間では0.7%安。この日発表された4月の米景気先行指数は前月比0.6%低下し、全ての市場予想を下回った。
米景気先行指数、4月は前月比0.6%低下-市場予想0.3%低下
ユーロはドルに対してほぼ変わらず。 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は、6月と7月の連続利下げには慎重を期すべきだとの考えを示した。
ニューヨーク原油先物は続伸。狭いレンジでの取引となった。供給とインフレの見通しに注目が集まっている。
今週は、米原油在庫の減少やインフレ沈静化の兆しが相場の追い風となった。一方、15日には国際エネルギー機関(IEA)が需要の伸びが鈍化するとの見通しを示すなど、相場の下押し材料もあった。
原油相場を動かし得る次の材料として、市場では6月1日に開催される石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の会合に注目が集まっている。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は、前日比83セント(約1%)高の1バレル=80.06ドルで終了。週間では2.3%上昇した。ロンドンICEの北海ブレント7月限は71セント上昇の83.98ドルで引けた。
スポット金相場は反発し、4月に付けた最高値に向けて上昇した。この日は銀が11年ぶりの高値をつけ、銅が過去最高値に迫る中、金も買いが優勢となった。
「金相場の上昇に乗り遅れた欧米ファンドは多く、これらのファンドが銅相場の動きに乗りたがっているのは明らかだ」と、金属専門の大手ファンドマネジャー、オリオン・リソース・パートナーズのポートフォリオマネジャー、マシュー・ヒープ氏は今週のインタビューで述べた。
ニューヨーク時間午後2時33分現在、金スポット価格は前日比40.40ドル上げて1オンス=2417.27ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は31.90ドル(1.3%)高の2417.40ドルで終了した。
原題:Dow Makes History in Final Stretch of US Trading: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Grind Lower, Steeper; Fed Cut Pricing Further Unwinds
Dollar Posts Weekly Decline Amid Rate-Cut Wagers: Inside G-10
Oil Posts Weekly Gain as Supply Outlook and Inflation Set Tone
Copper and Gold Close In on Records as Metals Mayhem Continues