• 「公平な競争条件を確保するための措置」をG7検討へ
  • 共同声明で中国を名指し、「非市場的政策および慣行」に懸念表明

イタリアのストレーザで開かれた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、世界貿易における中国のやり方に批判が集中した。G7の団結を示した形だが、貿易戦争をエスカレートさせる恐れもある。

  25日に発表された共同声明では中国を名指しし、貿易相手国の経済を損ねていると非難した。

  G7は「均衡の取れた相互的な協力への関心を再確認する一方で、われわれの労働者、産業および経済的強靱(きょうじん)性を損なう中国の非市場的政策および慣行の包括的な利用について懸念を表明する」と声明で発表。「過剰生産能力の潜在的な悪影響を引き続きモニターし、世界貿易機関(WTO)の原則に沿って、公平な競争条件を確保するための措置を講じることを検討する」とした。

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イタリア・ストレーザでの会合に集まったG7財務相・中央銀行総裁(24日)Photographer: Gabriel Bouys/AFP via Getty Images

  バイデン米政権は24日遅く、中国から輸入される数百品目に対して関税を再び導入すると明らかにした。米中の緊張はまだ序の口かもしれず、11月の米大統領選でトランプ前大統領がホワイトハウスに返り咲きを果たせば、いっそう悪化する可能性もある。

  対中強硬派の中心は引き続き米国だが、イエレン財務長官はドイツ、フランス、欧州連合(EU)も同じく不満を抱いていると強調。ルメール仏財務相はG7が対中国でまとまる必要性を呼びかけていた。

中国の過剰生産、ルメール仏財務相がG7としての共通評価求める

有害な慣行

  共同声明の文面からは、G7全体として中国に報復的な措置を打ち出す可能性も示唆される。

  G7は「重要かつ新興の技術を保護しつつ、サプライチェーンをより強靱で、信頼性が高く、多様で持続可能なものとし、有害な慣行に対応するために取り組む」と表明。「必要に応じて、G7内外のパートナーとともに供給のデリスキングおよび多様化を促進するための適切な措置を検討する」とした。

原題:China Slammed in G-7 Show of Unity Threatening Trade Escalation(抜粋)