- OPECプラスが減産延長と出口で合意、イスラエルの姿勢変わらず
- 米個人消費に陰り、アラムコ株式完売、エヌビディアCEO基調講演
長い名前の頭文字から「MBS」と呼ばれる事の多い、サウジアラビアのムハンマド皇太子。1兆5000億ドル(約236兆円)で砂漠に未来都市を建設しようとするなど、スケールの大きさで知られます。こうしたプロジェクトの財源を確保するには、原油価格はバレル当たり100ドル近くに上昇する必要があると、国際通貨基金(IMF)は推計してます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
減産と出口
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は、2025年も減産を継続することで合意。ただしサウジなどの「自主的な」減産に関しては、予想よりも早い規模縮小の時間的枠組みを設定したため、短期的には原油価格に下押し圧力がかかる可能性がある。先に合意しているグループ全体の生産を日量約3900万バレルに抑制する取り決めは、2025年末まで延長することでこの日一致した。
壊滅まで
バイデン米大統領が「イスラエル発」として5月31日に発表したイスラム組織ハマスとの停戦案に、イスラエルのネタニヤフ首相は反発。「ハマスの軍事・統治能力の破壊と、全ての人質解放、ガザの脅威を確実な排除」の条件が満たされない限り、イスラエルが恒久的な停戦に同意することは「あり得ない」と声明で明らかにした。国内では戦争を終結させてでも人質解放で合意するよう、政府への圧力が高まっている。
エンジン失速
米個人消費に陰りが出てきた。実質可処分所得は過去1年間で小幅な増加にとどまり、貯蓄率は16カ月ぶりの低水準。多くの消費者がクレジットカードやその他の手段に頼るようになっている。4月の実質個人消費支出(PCE)の落ち込みと1-3月(第1四半期)実質国内総生産(GDP)の下方修正は、2023年に驚くほどの力強さを見せた米経済が失速しつつあることを説得力をもって示すものだ。労働市場の方向性は、7日に発表される5月雇用統計でより明確になる。
直後に完売
サウジ国営石油会社サウジアラムコの株式120億ドル(約1兆8900億円)相当の売り出しが2日行われ、開始直後に完売した。同国政府は石油依存からの脱却と産業の多角化を柱とする「ビジョン2030」を推進している。サウジアラムコの株価は2日の取引で一時2.9%下落した。サウジ政府による株式放出の意向をブルームバーグ・ニュースが最初に伝えた年初から株価は約14%下げ、過去1年余りで最も安い水準で取引されている。
ジェンスン・フアン氏
米半導体大手エヌビディアは、人工知能(AI)アクセラレーターを毎年アップグレードする計画だ。ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が台北国際コンピューター見本市(COMPUTEX)の正式開幕に先立つ基調講演で明らかにした。フアン氏は新型チップ「ブラックウェル・ウルトラ」や2026年に向けて開発中の次世代プラットフォーム「ルービン」のほか、新しいツールやソフトウエアモデルも発表した。
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