- ECB利下げも今後の方向示唆せず、日銀会合で国債減額の予想過半
- 米雇用者数は発表値より少なかったか、米単位労働コスト、アラムコ
欧州中央銀行(ECB)はこの先の方向性を明確にしませんでした。7月の追加利下げはほぼ排除、9月についても一部のメンバーが懐疑的だと、関係者が語りました。次回の四半期経済予測が示される9月12日会合での利下げについて、現時点で意見の一致はないとしています。市場でも今後の方向性は不透明との声が多いようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
0.25ポイント利下げ
ECBは中銀預金金利を3.75%に引き下げると発表した。それまでは9カ月にわたり過去最高の4%で維持していた。予告通りに金融緩和を開始したが、その後の追加利下げについて示唆することはなかった。ラガルド総裁は記者会見で「今日から利上げを巻き戻す段階に移行するのかと聞かれれば、そうだとは言わない。その可能性は極めて高いが、データ次第だろう。非常に不確実なのは、われわれが進むスピードとそれに要する時間だ」と語った。ECBは同時に、今年と来年のインフレ見通しを引き上げた。
国債減額予想が過半
日本銀行が来週に開く金融政策決定会合では、エコノミストのほぼ全員が追加利上げの見送りを予想する一方、過半が国債買い入れの減額を決めるとみている。追加利上げの時期は7月と10月が約3割で拮抗(きっこう)している。ブルームバーグが5月31日-6月5日にエコノミスト51人を対象に実施した調査によると、13、14日の会合での追加利上げ予想は1人だけ。利上げのタイミングは7月と10月が共に33%で最多。一方、今会合では国債買い入れの減額が決まるとの見方が54%に達した。決まると思わないとの予想は26%だった。
毎月6万人少なかったか
米国の労働市場は、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長らの認識と比べると、ずっと活気がないかもしれない。米労働統計局(BLS)が発表した雇用・賃金に関する四半期国勢調査によれば、昨年の雇用者数の伸びは月間雇用統計に基づくランレートの約25万人よりも、毎月平均で約6万人少なかった可能性がある。雇用が既に減速しているなら、政策当局が長期にわたり金融引き締めを続けることで雇用を過度に鈍化させるリスクが高まる。
活動減速を示唆
1-3月(第1四半期)の米国の単位労働コスト(確報値)は4%上昇と、速報値の4.7%上昇から下方修正された。市場予想は4.9%上昇だった。生産と労働時間の下方修正を反映したもので、活動減速を示す他の兆候と一致している。前年同期比では0.9%上昇と、3年ぶりの低い伸びとなった。非農業部門の労働生産性指数(確報値)は同四半期に前期比年率0.2%上昇で、速報値の0.3%上昇から同じく修正された。
国外から旺盛な需要
サウジアラビア政府が保有する国営石油会社サウジアラムコの株式120億ドル(約1兆8760億円)相当の売り出しでは、国外の投資家から旺盛な需要があった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。高い需要は、気候変動やエネルギー転換への懸念が強まっているにもかかわらず、保有銘柄としてのサウジアラムコの魅力が一部投資家の間で高まっていることを示している。手厚い配当のほか、再生可能エネルギーや石油化学、ガスへの大規模な投資計画、さらに株式を割安で購入する機会が投資家を引き付けている。
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