- 欧州議会選、割れる米利下げ予想、イスラエル戦時内閣から離脱表明
- 米株高持続には裾野の広がり必要、サウジアラムコ株に旺盛な需要
欧州連合(EU)の政策を左右する欧州議会選では、主要国ドイツとフランスの首脳が率いる政党が大敗を喫し、極右政党が議席を伸ばす勢いとなっています。3期目の就任宣誓を行ったインドのモディ首相が率いる与党・インド人民党(BJP)も、先の総選挙で事前予想に反して単独過半数割れ。世界各国で選挙が相次ぐ今年、有権者の不満が鮮明となっています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
試金石に
9日に終了する欧州議会選挙は、ウクライナでの戦争やトランプ前米大統領の返り咲きの可能性といった重要問題への対処で方向性が示される試金石となる。出口調査によると、ショルツ独首相率いる社会民主党(SPD)は歴史的な大敗を喫した。極右勢力のドイツのための選択肢(AfD)にも後れを取り、3位転落となる見通し。フランスのマクロン大統領は、自身が率いる与党連合が極右政党の国民連合(RN)に惨敗したことを受けて、国民議会(下院)を解散し、新たな選挙実施を表明した。
意見分かれる
来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、当局が年内に何回の利下げを示唆するかについて、エコノミストの見方は分かれている。FOMCの「ドット・プロット(金利予想分布図)」は今年3回の利下げという見通しからは後退する公算が大きいがが、2回の利下げを示唆するかどうかは微妙だ。ブルームバーグの調査によると、当局が2回利下げを示唆すると予想するエコノミストが41%を占める一方、1回だけ、もしくは全く行われないと予想するエコノミストも41%いる。
離脱表明
イスラエルの野党指導者、ガンツ前国防相は戦時内閣から離脱すると表明した。ガンツ氏は先月、ネタニヤフ首相が6月8日までに人質を取り戻し、イスラム組織ハマスによるパレスチナ自治区ガザ統治を終わらせる新たな計画を提示しなければ、政権を離脱すると述べていた。「残念ながら、ネタニヤフ氏はわれわれが真の勝利を達成するのを妨げている」とガンツ氏は語った。
米株高の裾野
米株高の流れが続くにはけん引役のハイテク大手に加え、新たな担い手が必要になりそうだ。トゥルーイスト・アドバイザリー・サービシズの共同CIO、キース・ラーナー氏は「下期に株式市場が同様のリターンをたたき出すには、株高の裾野の広がりが必要だ」と述べる。テク大手の利益の伸びは今後著しく鈍化する見通しだが、素材やヘルスケアといった業界は利益拡大が見込まれており、こうしたシナリオが現実のものとなるかもしれない。
強い需要
サウジアラビアは国営石油会社サウジアラムコの株式売却で、外国人投資家に売り出し株の約60%を割り当てると、事情に詳しい関係者が述べた。アラムコ株売り出しには米国と欧州から強い需要があった。英国、香港、日本のファンドも参加し、総額650億ドル(約10兆円2000億円)以上の注文が集まったという。今回の売り出しの主な魅力は、世界最大級の配当金にある。ブルームバーグ・インテリジェンスの推計によれば、年間124億ドルの配当は6.6%の利回りになる。
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