- 円安加速し38年ぶり安値、AIへの期待冷めず、ECB戦略見直し
- テスラ1強の局面に終止符か、辞めるならボーナス返還義務づけ
円安に歯止めがかかりません。神田真人財務官が市場をけん制しましたが、下げ幅を縮めたのは一瞬。すぐに円売りが優勢となりました。介入への警戒感が高まる一方、実弾投入にはボラティリティーが高まる必要があり、日本当局はもう少し待つだろうとの声もあります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
38年ぶり安値
ニューヨーク外国為替市場で円相場は対ドルで一時1ドル=160円80銭台まで下落。1986年以来の安値に沈んだ。神田財務官は「最近の為替の動きは一方向」だとし、「行き過ぎた動きに対しては必要な対応を取る」と為替介入も辞さない姿勢を示したが、発言後も円売りに歯止めがかからなかった。通貨当局による円買い介入再開への警戒感が高まっている。円は対ユーロでも一時1ユーロ=171円76銭に下落。1999年1月にユーロが創設されて以来の安値を更新した。
AIへの期待冷めず
アマゾン・ドット・コムの時価総額が初めて2兆ドル(約320兆円)の大台を突破した。人工知能(AI)ブームの追い風を受けてクラウド事業が再加速しており、成長トレンドが改善している。ハイテク大手の時価総額では、アルファベットが4月に2兆ドルを突破。エヌビディア、マイクロソフト、アップルはいずれも3兆ドルを超えている。
戦略見直し
欧州中央銀行(ECB)は次の金融政策戦略見直しを間もなく開始する。事情に詳しい関係者が明らかにした。結果は将来の金利の動向と危機対応の土台になり得る。政策委員会は2025年後半に結論を出したいと考えているという。今回の見直しは恐らく、21年に終了したほぼ20年ぶりの見直しよりも短期間で、範囲も限られる見込みだと関係者は語った。しかし、将来のインフレ要因や最近の危機からの教訓についての議論が含まれる可能性があり、重要な意味を持ち得るという。
1強に終止符か
テスラは過去6年間にわたり、米国の電気自動車(EV)販売で競合勢の合計台数を上回ってきた。だが、ここにきて一人勝ちを自慢する権利を失いかけている。5月までの1年間の米国EV販売台数はテスラが約61万8000台であるのに対し、他メーカーの合計が約59万7000台。当初は出遅れが目立った従来の自動車メーカーも着実にテスラとの差を縮めており、今月の販売台数が集計されるまでにはテスラが独壇場の地位を失う恐れがある。
ボーナス返して
熾烈(しれつ)な人材争奪戦が展開するヘッジファンド業界で、約40億ドル(約6400億円)を運用する英アイスラー・キャピタルはトレーダーの弱みに付け込む戦略に出た。辞めるならボーナスを返すという条件だ。こうした「クローバック」の取り決めはヘッジファンドでは珍しくない。しかしアイスラーのケースは、マルチ戦略ファンドが人材獲得と維持の戦略で工夫をこらす必要性に迫られていることを示す最新の例となった。
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