サウジの熱波、気候変動で2.5度悪化 欧州科学者チームが指摘

[1/2]イスラム教の聖地メッカを訪れる大巡礼(ハッジ)で今月1300人余りが死亡する事態をもたらしているサウジアラビアの熱波は気候変動により強まっているとの分析が明らかになった。写真はメッカで18日撮影(2024年 ロイター/Mohamad Torokman)

[ロンドン 28日 ロイター] – イスラム教の聖地メッカを訪れる大巡礼(ハッジ)で今月1300人余りが死亡する事態をもたらしているサウジアラビアの熱波は気候変動により強まっているとの分析が明らかになった。

欧州の科学者グループClimaMeterが28日発表した。それによると6月16─18日の巡礼経路の気温は47度に達することもあり、メッカの大モスクでは51.8度を超えたという。分析では、人間活動による気候変動の影響がなければ、気温は約2.5度低かったと指摘した。 もっと見る

分析は過去40年間の衛星観測データで1979─2001年と01─23年の気象パターンを比較。砂漠地帯では長年危険な気温が記録されているが、自然の変動では今月の熱波の規模を説明できず、気候変動が熱波を激化させたとの見解を示した。

サウジアラビアでは過去に同様の現象が5月と7月に発生しているが、現在は6月の熱波がより深刻になっていることも分かったという。