• 景気後退の足音、過剰反応せずとシカゴ連銀総裁、ISM指数
  • 押し目買いの好機近づく、FRBは75bpの緊急利下げを
The Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S., on Sunday, Oct. 3, 2021.
The Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S., on Sunday, Oct. 3, 2021. Photographer: Samuel Corum/Bloomberg

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景気後退の足音

米金融市場ではボラティリティーが急上昇。米2債利回りが2022年7月以降初めて10年債利回りを下回った。逆イールドの景気後退予見性を立証したことで知られるエコノミスト、キャンベル・ハーベイ氏は過去4回の景気後退が始まる直前には長短金利の逆転が解消した点に触れ「米金融当局は行動するのを長く待ちすぎた」と述べた。元米連邦準備制度理事会(FRB)エコノミストのクラウディア・サーム氏は、米国はまだリセッションに陥ってはいないが、それに「不快なほど近い」と述べた。

過剰反応せず

米シカゴ連銀のグールズビー総裁は、金融当局の仕事は単月の弱めの雇用関連データに反応することではないとの考えを改めて表明。市場は当局の行動よりもはるかに不安定だと付け加えた。消費者の支払い延滞増加といった警戒すべき指標はあるが、経済成長は「かなり安定したレベル」で続いていると経済専門局CNBCで指摘。「雇用の数字は予想よりも弱かったが、リセッションの様相はまだ呈していない。景気がどこに向かっているのか前向きに判断していきたい」と話した。

活動拡大を示唆

7月の米供給管理協会(ISM)非製造業総合景況指数は51.4と、縮小圏にあった前月から回復し活動拡大を示した。景気減速が広範囲に及ぶとの懸念を弱める可能性がある。雇用や受注、業況指数が回復し、サービス業は緩やかなペースで成長していることを示唆した。雇用指数は1月以来初めて拡大を示し、昨年9月以来の高水準。生産指数に相当する業況指数は、前月に2020年4月以来の急激な落ち込みを記録した後、7月は約5ポイント上昇した。新規受注指標も拡大圏に戻った。

押し目買い好機

ハイテク株からリスク資産へのローテーションは「ほぼ終了した」可能性があると、JPモルガン・チェースのトレーディングデスクは指摘。押し目で買いを入れる「戦術的なチャンスに近づいている」と、同行ポジショニングインテリジェンス責任者のジョン・シュレーゲル氏は顧客リポートに記した。ただし「特にハイテク株に関して、『問題なし』を宣言するのはまだ難しい」という。市場が軟調を維持した場合、最大の受益者となるのはディフェンシブ銘柄だとリポートは指摘した。

緊急利下げを

 米連邦公開市場委員会(FOMC)は75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の緊急利下げを実施するべきだと、ペンシルベニア大学ウォートン校のジェレミー・シーゲル教授は述べた。その上で9月会合で同じく75bpの利下げを追加するのが適切だとし、「それが最低ラインだ」と話した。足元のスワップ市場では次回9月の会合を待たずに緊急利下げする確率を約15%と見込む。早い時間には60%程度織り込んでいた。

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