• 米失業保険の申請が大幅減少、円安巻き戻しで日本企業に暗雲
  • ロックイン経済コスト、ロシア参謀総長批判、さらに小さいMac mini
Pedestrians in San Francisco, California, U.S.,
Pedestrians in San Francisco, California, U.S., Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。

懸念和らぐ

8月3日終了週の新規失業保険申請件数は前週比1万7000件減の23万3000件と、ここ1年近くで最大の減少となった。7月の雇用統計が弱い内容となったことを受けて労働市場の沈静化ペースが速過ぎるとの懸念が出ていたが、今回の統計はそうした懸念の緩和に幾分つながる可能性がある。ハイ・フリークエンシー・エコノミクスはリポートで「労働市場が今後一段と大幅に軟化し、米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策に影響を与えるようなシグナルが出ないか注意する必要がある」と指摘。その上で、「データが発しているシグナルは緩慢な景気減速であり、縮小ではない」と述べた。

立ちこめる暗雲

日本銀行の追加利上げ決定などをきっかけに、為替相場では急激に円高方向への巻き戻しが進んだ。一時は1ドル=160円を突破した円安水準を享受してきた国内大手企業にとっては、保守的な想定為替レートに現実が追いつき利益面の押し上げ要因がはく落したほか、北米市場の変調もあって各社の通期業績見通しには不透明感が高まっている。急激な為替変動で先行きを見通しづらくなるだけでなく、米国の景気見通しの急速な悪化という懸念も持ち上がる。11月に予定されている大統領選の行く末も不透明要因となっている。トランプ氏が大統領に返り咲いた場合、保護主義的な貿易政策を講じる可能性が高まるほか、気候変動対策で大幅な後退が予想され化石燃料を強化する方針に転じるとみる向きもある。

高金利の副作用

米国では高金利の住宅ローンで新たに借り入れるより、今の住宅に住み続ける「ロックイン」を選択する住宅所有者が少なくない。全米経済研究所(NBER)が今月発表したワーキングペーパーによると、ロックインは2022年以降、年間で200億ドル(約2兆9400億円)の経済コストを生じさせている。世帯当たり296ドルに相当するこのコストは、経済の「死荷重」に該当すると執筆者は指摘。高いローン金利は労働者が引っ越しを見合わせる動機になっており、高賃金の職やキャリアの機会が失われている。雇用主にとっては必要な人材が引っ越しを渋るために、生産性の低い労働者を選択するしかない状況になり得る。

責任の所在

ロシアでゲラシモフ参謀総長への批判が広がっている。ウクライナによる大規模なロシア越境攻撃が起き、ロシアは西部クルスク州に緊急事態を宣言した。関係者によれば、ウクライナ軍がロシア西部クルスク州との国境付近に部隊を集結させているとの情報を、すでに越境攻撃の2週間前に入手していたにもかかわらず、ゲラシモフ参謀総長と高官らはこれを重視せず、誰もプーチン大統領に報告していなかった。ゲラシモフ参謀総長が近く解任される可能性は低いが、クレムリン内では同氏の不手際にしびれを切らしていると、その関係者は扱いに注意を要する話だとして匿名で述べた。

お弁当箱より小さい

アップルはパソコン「Mac mini」の新モデルを計画しており、過去最小サイズのデスクトップパソコンになる見通し。人工知能(AI)に重点を置いたパソコンMac見直しの一環。関係者によれば、新しいminiは今年発表を予定。スティーブ・ジョブズ氏が2010年に改良して以来のデザイン一新となる。最新型は従来モデルよりかなり小さくなり、セットトップボックス「Apple TV」のサイズに近いという。

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