• 米大統領選討論会、米銀行株に売り、米銀資本要件案を大幅変更
  • 国内勢の国債買い強まる、深まるドイツ自動車メーカーの危機
 Donald Trump and  Kamala Harris on a screen in the spin room ahead of the second presidential debate.
 Donald Trump and  Kamala Harris on a screen in the spin room ahead of the second presidential debate. Photographer: Hannah Beier/Bloomberg

マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。

初の直接対決

米大統領選の民主党候補ハリス副大統領と共和党候補トランプ前大統領が、東部時間10日午後9時(日本時間11日午前10時)からの討論会で初めて直接対決する。トランプ氏の盟友の一部は、同氏が政策にフォーカスして個人攻撃を避けるよう望んでいる。一方でハリス氏の場合、バイデン政権のナンバー2である同氏が変化をもたらす存在なのか懐疑的な有権者の懸念に対処することが課題だ。両氏は激戦州での支持率で圧倒的なリードを確保する方法を探っており、討論会のパフォーマンス次第で違いが生じる可能性がある。

銀行株に売り

米銀大手JPモルガン・チェースの株価が一時7%余り下落し、約4年ぶりの大幅安となった。売りは銀行株全般に広がった。同行のダニエル・ピント社長は、純金利収入に対するアナリストの予想が楽観的過ぎると指摘。現在予想されている純金利収入895億ドル(約12兆7700億円)は金利見通しを考慮すれば「もっと低い」数字になると、金融業界の会合で述べた。7-9月(第3四半期)の投資銀行手数料収入が15%増える可能性があるとも指摘。市場関連の収入は2%増加が見込まれると述べた。いずれもアナリスト予想を下回る。

資本要件変更

米規制当局は銀行の資本要件案を大幅に変更し、大手銀行への影響を半減させるとともに、小規模の銀行をこの措置の大部分から除外する。米連邦準備制度理事会(FRB)のバー副議長(銀行監督担当)が明らかにした。バー氏によれば、修正案では米大手8行に対して計画していた19%の資本要件引き上げをほぼ半減させる。これによりシティグループやバンク・オブ・アメリカ(BofA)、JPモルガン・チェースなどが金融ショックへのクッションとして求められる資本増強は9%になる。

真逆の行動

日本銀行が国債の買い入れを減額していく中、国内の投資家が買いを増やす真逆の行動を取り、国債利回りの上昇圧力を抑えている。ブルームバーグが日銀のデータを分析したところ、国内投資家は8月までの12カ月間に国債を差し引き32兆2000億円購入。一方、日銀は償還額が購入額を上回ったため、小幅ながら売り超過に転じた。過去12カ月間で国債の最大の買い手は年金の代理と見なされる信託銀行だった。日銀は、国債の購入を減らしながら政策金利を引き上げても、国債相場の暴落を誘発しないという自信を深めるかもしれない。

深まる危機

独自動車メーカーの危機が深まっている。フォルクスワーゲン(VW)はコスト削減の取り組みの一環として、国内労働者向けの雇用保障協定を破棄する。VWは、2029年までの雇用を保障していた30年来の協定に関連するいくつかの合意を取り消したと明らかにした。ドイツの高い技術力の代名詞とも評される同社での雇用保障打ち切りは、欧州最大の経済大国での競争力がいかに失われているかを浮き彫りにする。BMWは通期業績予想の下方修正を強いられた。自動車部品メーカーのコンチネンタルが供給したブレーキシステムの欠陥で、約150万台がリコールや納車停止を余儀なくされた。

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