- 米コアCPI伸び加速、米利下げ幅予想、日鉄が土壇場の努力
- AIブーム失速とウィルソン氏、エヌビディア製品巡り緊張高まる
マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。
伸び加速
8月の米消費者物価指数(CPI)統計では、食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが市場予想に反して加速。住居費の伸び率が高まったことなどが響いた。コアCPIは前月比0.3%上昇と、伸びは4カ月ぶりの大きさだった。サービス分野で最大部分を占める住居費は前月比0.5%上昇と、1月以来の大幅な伸び。2カ月連続で加速した。
利下げ幅予想
CPI統計を受け、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定される利下げ幅は0.25ポイントにとどまるとの見方でトレーダーは一致しつつある。シティグループのエコノミストすら、今月の大幅利下げを見込んでいた大胆な予想を修正した。一方、ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は、労働市場に弱含みの兆候が出ているため、「50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げもあり得る」とし、「その確率は30%台前半だろう」と続けた。
土壇場
日本製鉄によるUSスチールの買収実現を目指すぎりぎりの努力が始まった。両社は全米鉄鋼労働組合(USW)との交渉過程を文書で公表。意思伝達が誤った形で流布していることを考慮し、開示に踏み切ったという。USスチールが大統領選の激戦州であるペンシルベニア州に本社を置くこともあって、買収計画は選挙戦で言及されるなど政治問題化した。日鉄の森高弘副会長はワシントンを訪問し、米政府高官らと会談。
ブーム失速
S&P500種株価指数を最高値に押し上げた人工知能(AI)ブームが失速していると、モルガン・スタンレーのチーフストラテジストを務めるマイク・ウィルソン氏は述べた。最近乱高下しているエヌビディアに限らず、半導体銘柄の低迷にそれは表れ始めていると指摘。AIが長期的に生産性を革新的に変える可能性は大いにあるものの、短期的な可能性に賭けて株価をつり上げてきた動きは時期尚早だったと述べた。
緊迫
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、需給が逼迫(ひっぱく)する同社製品の奪い合いで一部顧客が不満を募らせており、緊張が高まっているとの認識を示した。「需要は非常に高い。誰もが一番先になりたいし、誰もが最上位になりたがる」とフアン氏。「感情的な顧客が恐らく増えている。緊迫している」と述べた。同社の次世代AI半導体「ブラックウェル」に対しては旺盛な需要があると、フアン氏は指摘。サプライヤーは需要に追いつくために最大限の努力で前進していると語った。
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