マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。
戦争と保護主義
国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通し(WEO)で、リセッション(景気後退)に陥ることなくインフレを抑制したと世界各国・地域の中央銀行を評価する一方、来年の世界経済の成長率予測を下方修正。戦争や貿易保護主義などによるリスクが高まっていると指摘した。世界全体の来年の成長率を3.2%と予測。7月時点の予測から0.1ポイント引き下げた。米国については消費の伸びを理由に、今年の成長見通しを2.8%、来年の見通しを2.2%に上方修正した。日本は今年が0.3%、25年が1.1%の成長と予想された。今年は0.4ポイント引き下げられたが、一時的な供給障害と前年のインバウンドブームによる影響を反映させたとIMFは説明。来年の見通しは0.1ポイント引き上げた。
米国の圧力
オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングのクリストフ・フーケ最高経営責任者(CEO)は、半導体技術の中国販売をさらに制限するよう、米国から圧力が強まるとみている。「肝心なのは、オランダにとって何が正しいのか、欧州にとって何が正しいのかということだ」とインタビューで述べた。ASMLにとって中国は過去5四半期にわたり最大の市場。来年には中国の売り上げが全体に占める比率は約20%に縮小すると予想され、これがより正常な水準と考えているとフーケ氏は述べた。
ロンドン
ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計会社アーム・ホールディングスにとってロンドンでの2次上場は優先案件ではないと、レネ・ハース最高経営責任者(CEO)が述べた。アームは昨年の新規株式公開(IPO)で上場先にニューヨークを選んだ。ハース氏は「率直に言って、現時点で優先的に検討している案件ではない」とインタビューで話した。英国政府はアームの二重上場を求めてロビー活動していたが、アームは米国のみでの上場を選択。英国の情報開示要件を一因としたこの決定は、テクノロジー企業を呼び込み世界的な金融ハブとしての地位を狙うロンドンの野心を打ち砕いた。英国はこれを受けて上場要件の簡素化に動き、株主投票にかけずに企業がより経営判断できるようルールを緩和した。
ラガルド氏の反論
トランプ前米大統領はフランクフルトの欧州中央銀行(ECB)に来てみるべきだと、ラガルド総裁が述べた。トランプ氏はこれまで繰り返しパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を批判している。ワシントンを訪問中のラガルド氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「私は経済学者や法律家、コンピューターサイエンティストなど、数千もの勤勉な人々を擁している。彼らは毎日とても懸命に働いている。月に1回だけではない」と述べた。「われわれはユーロを守り、ユーロのために闘っている。FRBがドルを守るのと同じだ。パウエル氏を代弁するつもりはないが、パウエル氏も自分の仕事をそう考えているはずだ」と語った。
クオーターパウンダー
米疾病対策センター(CDC)は西部で発生した腸管出血性大腸菌の集団感染にマクドナルドの「クォーターパウンダー」が関連していると発表した。これまでに49人が体調不良を訴え、1人が死亡した。マクドナルドの株価は通常取引終了後の時間外で一時9%下落した。
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