• 衆院選結果、イスラエルがイランに限定報復、中国の景気刺激策
  • 米大統領選が終盤に、ボーイング宇宙事業の行方
Japanese Voters Cast Ballots In General Election
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

週末に話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。

過半数割れ

27日の衆院選は、自民・公明両党で過半数の233議席に届かなかった。石破茂首相の責任論が浮上し、経済政策を含めた政権運営に混乱が生じかねない事態となりそうだ。石破首相は「与党で過半数」を勝敗ラインに掲げていた。特別国会での首相指名選挙に向けて無所属や野党に協力を得る多数派工作が必要となり、首相の責任を問う声が上がる可能性もある。経済対策や防衛増税の開始時期を巡る議論への影響も避けられない。減税などを求める野党の主張を受け、財政拡大への圧力が強まりそうだ。共同通信によると、自民党は191議席、公明党は24議席となった。自民党の小泉選挙対策委員長は石破首相に辞意を伝えたと、時事通信が報じた。

限定攻撃

イスラエル軍は26日、イランによる今月1日のミサイル攻撃への報復として、同国の軍事施設を空爆した。米国との調整を経て、ミサイルおよび防空施設に限定した攻撃は、多くの予想より抑制されたものとなり、人質解放やレバノンとパレスチナ自治区ガザでの戦闘収拾に向けた外交努力を後押しする可能性がある。ブリンケン米国務長官がワシントンに戻るまで、イスラエルは反撃を見合わせた。数十機のイスラエル軍戦闘機が数千キロを飛行。イランの軍事施設を標的に空爆を行った。一方で、バイデン米政権の要請に応じ、石油と核関連施設、民間インフラへの攻撃は控えた。

景気刺激策

中国財政省の廖岷次官は25日、同国が最近打ち出している景気刺激策は、内需拡大と年間成長目標の達成を主な目的としていると述べた。11月4-8日に開催予定の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会で、重要な財政パッケージの詳細発表が見込まれている。中国の工業セクターの企業利益は、9月の減少ペースが8月から加速した。デフレ圧力が企業財務の健全性を損なう状況が背景にある。

大統領選終盤

トランプ前大統領は27日夕、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで集会を開く。民主党候補のハリス副大統領は激戦州ミシガン州で、オバマ元大統領夫人であり、民主党支持者の間で人気の高いミシェル・オバマ氏と初めて並び、支持を呼び掛けた。ハリス氏は初めて住宅を購入する人や起業を志す人への支援を含む「機会の経済」という幅広いビジョンを示しており、トランプ氏が浸透を図る黒人層に支持を訴えた。

宇宙事業の行方

ボーイングは問題を抱えた宇宙船「スターライナー」プロジェクトの将来について、複数の選択肢を検討している。ボーイングは現時点では宇宙事業の売却を模索しておらず、同事業を継続する可能性もあるという。スターライナーは6月に宇宙飛行士2人を国際宇宙ステーション(ISS)に移送したが、スターライナーで技術的な不具合が相次ぎ、2人は予定期間を過ぎてもISSに足止めされている。今回の選択肢検討で、米航空宇宙局(NASA)はイーロン・マスク氏率いるスペースXへの依存を強める可能性がある。

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