5日の米株式相場は反発。今後の経済政策に大きな影響を及ぼす大統領選の投票が進む中、テクノロジー銘柄を中心に上昇する展開だった。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 5782.76 | 70.07 | 1.23% |
ダウ工業株30種平均 | 42221.88 | 427.28 | 1.02% |
ナスダック総合指数 | 18439.17 | 259.19 | 1.43% |
大手ハイテク7社「マグニフィセント・セブン」の株価に連動する指数が1.8%上昇した。前日に決算発表を行ったソフトウエア開発会社パランティア・テクノロジーズの株価が20%超と急伸したことも、相場押し上げに寄与した。同社は人工知能(AI)に対する「揺るぎない需要」に言及していた。エヌビディアは時価総額でアップルを抜き、再び首位に浮上した。
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ニューエッジ・ウェルスのキャメロン・ドーソン最高投資責任者(CIO)は選挙について「今晩誰が勝つか、いつ結果が判明するかにかかわらず、サプライズとなる」とブルームバーグテレビジョンで指摘。「世論調査は大変な接戦であることを示しており、大きなボラティリティーを引き起こすイベントになり得る」と述べた。
金融サービス会社エブリーの市場戦略責任者マシュー・ライアン氏は、少なくとも出口調査結果が明らかになり始めるまで投資家は大きなポジションを取りたがらないと指摘。選挙は接戦だとし、「誰も結果を予想できない状況のようだ」と話した。
市場関係者は票の集計を巡り混乱が発生する事態も警戒し、どういった結果になろうと大幅な変動が見込まれる相場に備えている。
ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストらは、米選挙結果を受けてボラティリティーが急激に高まる可能性を指摘。その上で、経済が底堅さを維持しており、長期的には株式を下支えするとの見方を示した。
アンドレア・フェラリオ氏率いるゴールドマンのチームは、大統領選がもたらすリスクを考慮した場合でも、米国株が20%超下落する確率は18%に過ぎないと予想した。
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7日には連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に金融政策が発表され、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見を行う。
パンミュール・リベラムのストラテジスト、スザナ・クルス氏は「市場は選挙が終わって、企業決算や金融政策に再び焦点が当たることを待ち望んでいる」と述べた。
米国債
米国債相場はまちまち。年限が長めの国債が買われた。10年債入札(発行額420億ドル)が堅調で、利回り曲線のフラット化が進んだ。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
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米30年債利回り | 4.44% | -2.5 | -0.57% |
米10年債利回り | 4.28% | -0.2 | -0.04% |
米2年債利回り | 4.19% | 2.9 | 0.70% |
米東部時間 | 16時48分 |
米国債相場は、米供給管理協会(ISM)非製造業総合景況指数が約2年ぶりの高水準となったことを受けて下げを拡大。午後に10年債入札の結果が判明した後、下げ幅を縮小する展開だった。
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外為
ニューヨーク外国為替市場ではドル指数が続落。円は対ドルで上昇し、一時1ドル=151円34銭を付けた。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
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ブルームバーグ・ドル指数 | 1254.11 | -4.44 | -0.35% |
ドル/円 | ¥151.59 | -¥0.54 | -0.35% |
ユーロ/ドル | $1.0928 | $0.0050 | 0.46% |
米東部時間 | 16時48分 |
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.4%下げた。
ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、アループ・チャタジー氏は「ドルの動きがより明確になるのは、主要なスイングステート(激戦州)の結果が出始める米東部時間の午後8時ごろになる可能性が高い」と述べた。
ただ、円は主要10通貨の大半に対しては下落した。
国民民主党の玉木雄一郎代表は5日、為替の変動は米国の動向に左右される要素が大きいとして、仮に日本銀行が「目先の金融政策で為替を動かそうとしても非常に表面的」な対応になると語った。
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ユーロは対ドルで一時0.5%上昇し、10月半ば以来の高値。一方、ユーロ・ドルの翌日物ボラティリティーは、世界的な金融危機以来の水準に跳ね上がった。
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原油
ニューヨーク原油相場は5日続伸。米大統領選の行方が世界の注目を集める中、メキシコ湾の原油生産を脅かす熱帯暴風雨の影響もあり、買いが優勢になった。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は一時1.7%上昇。その後は伸び悩み、マイナス圏に下げる場面もあった。
熱帯暴風雨「ラファエル」は洋上のオフショア石油・天然ガス施設に支障をもたらす恐れがあり、現在の想定進路で日量170万バレルの生産に影響が出る見通しだ。シェブロンが沖合いでの生産を停止、シェルは一部要員を避難させている。
米大統領選はトランプ前大統領とハリス副大統領による接戦のまま投票日を迎えた。結果次第で米国の貿易、外交、安全保障、気候に関する政策が大幅に見直される可能性があり、そうなれば商品市場に広範囲な影響を及ぼすだろう。
コンサルティング会社エナジー・アスペクツの調査ディレクター、アムリタ・セン氏は、現在の米政権は「いかなる制裁も実施を徹底していない」と指摘。「実際、イラン産原油を買うことを奨励している。それが価格抑制につながるからだ。イラン制裁を履行するだけで、100万バレルを市場から取り除くことができるだろう」と述べた。
ニューヨーク原油は6月末から10%余り下落している。中国の需要が弱く、米州からの供給が増加しているためだ。そのため、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成される「OPECプラス」は生産を引き上げる計画を先送りした。サウジアラビアが12月のアジア向け原油価格を引き下げたのは、中東情勢の緊張よりも、中国の需要低迷による影響の方が大きいことを示している。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前日比52セント(0.7%)高の1バレル=71.99ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント1月限は0.6%上昇し75.53ドルで引けた。
金
金スポット相場は小幅高。米大統領選の投票が始まる中、小じっかりに推移した。今週はFOMC会合も開催される。
スポット価格は先週付けた最高値をわずかに下回る1オンス=2740ドル前後で取引された。この日の値動きは比較的安定していたが、過去の投票日には急激な変動が見られた。接戦となっている今回の大統領選では、結果が法廷で争われるリスクもあり、結果が判明するには数日から数週間かかる可能性もある。
FOMCなど多くの先進国中央銀行は今後1週間で再び利下げを実施すると広く予想されている。利下げは金利を生まない金にとって支援材料となることが多い。
米利下げ期待や中銀による金購入、中東やウクライナの紛争を背景とした逃避需要に支えられ、金は今年に入ってから30%余り上昇している。接戦となっている米大統領選をめぐる不透明感も支援材料。
コメルツ銀行はリポートで「トランプ氏が勝利すれば金価格の上昇をもたらすだろう。対照的に、ハリス氏の勝利は金相場を圧迫する。選挙結果の判明まで長引けば、金はその不確実性から恩恵を得るだろう」と指摘した。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時5分現在、前日比3.20ドル(0.1%)高の1オンス=2739.98ドル。ニューヨーク商品取引所の金先物12月限は3.50ドル(0.1%)上昇し2749.70ドルで引けた。
原題:Tech Pushes Stocks Higher With Vote in Full Swing: Markets Wrap(抜粋)
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