米連邦公開市場委員会(FOMC)が11月6、7両日に開いた会合では、当局者が今後の利下げに対する慎重なアプローチを幅広く支持したことが分かった。経済が堅調さを維持し、インフレが徐々に落ち着いてきていることが背景にある。
26日に公表された議事要旨では「インフレ率が持続的に2%まで低下し、経済が完全雇用に近い状態を維持するなど、データがほぼ想定通りの内容になれば、時間をかけてより中立的な政策スタンスへと緩やかに移行することが適切である可能性が高いと参加者は予想した」と指摘した。
11月会合では、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25ポイント引き下げ4.5-4.75%とすることを決定。その前の9月会合では通常よりも大幅な0.5ポイントの利下げに踏み切っていた。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今月、経済は利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していないと述べた。年内最後のFOMC会合が12月17、18両日に開かれる。
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議事要旨によれば、インフレ率が高止まりする場合は利下げを休止し、金利を景気抑制的な水準に維持することもできるとの意見も出た。また、景気や労働市場が悪化した場合、利下げを加速できるとの指摘もあった。
当局者は慎重を期す理由の一つとして、成長を抑制も刺激もしない水準である中立金利が明確でない点も挙げた。
多くの参加者は、中立金利水準に関する不確実性が「金融政策における景気抑制度合いの評価を複雑にしており、政策の引き締め具合を段階的に緩和することが適切だとの見解を示した」と、議事要旨は記述した。
また、経済の借り入れコストに影響を与える二次的な金利である翌日物リバースレポ(RRP)ファシリティーの提示金利について、「テクニカルな調整」が検討されていることも議事録で分かった。
一方、雇用と成長の下振れリスクは「幾分低下した」と判断した。議事録によると、労働市場には「急速な悪化の兆候はない」とおおむね評価された。
インフレについては、物価上昇率がピークから大きく鈍化したとしながらも、食品とエネルギーを除くコアの指標はなお「幾分高い」状態が続いていると指摘した。
当局者は「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信は変わらないと指摘したが、その過程が従来の予想よりも長引く可能性があるとの見解も一部で示された」という。
原題:Fed Minutes Show Officials Prefer Future Rate Cuts to Be Gradual、
Fed Minutes Show Officials Prefer Future Rate Cuts to Be Gradual(抜粋)