マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。
最後の訴え
日本製鉄は米鉄鋼大手USスチール従業員に宛てた書簡を公表し、買収の一環として提案している設備投資計画に関する情報を開示した。これに先立ち、日鉄は全米鉄鋼労働組合(USW)幹部と会談していた。書簡によると、日鉄は以前発表した14億ドル(約2100億円)の設備投資に関して、いつ、どこに支出するかについて新たな約束をしたと説明。これで買収に反対するUSW幹部が考えを変えるかは不明だが、対米外国投資委員会(CFIUS)の審査が終了する前にUSWの支持を確保しようと、日鉄があらゆる手段を講じていることがうかがわれる。
独禁法違反の疑い
エヌビディアに対し、中国が独占禁止法違反の疑いで調査を開始した。中国の中央テレビによると、エヌビディアの最近の慣行やメラノックス・テクノロジーズ買収を巡る状況について、国家市場監督管理総局が調査に着手した。中国当局は2020年にエヌビディアのメラノックス買収を条件付きで承認したが、エヌビディアがそれら条件に違反した疑いがあるという。 一方、貿易を巡る中国と米国の対立はエスカレートし、ウクライナの防衛に不可欠なドローン(軍用無人機)にまで及んでいる。中国の製造業者は最近、ドローンの製造に使われる主要部品の米国や欧州への販売を制限し始めたと、関係者が匿名を条件に明らかにした。
買収検討
スナック菓子メーカーの米モンデリーズは、チョコレートメーカーのハーシー買収を検討している。関係者が明らかにした。買収が成立すれば、売上高が合わせて500億ドルに近い巨大食品企業が誕生する。ハーシーの株価は一時19%上昇し、日中ベースで約8年ぶりの大幅高となった。協議は初期段階にあり、合意に至るかは不明だと関係者は話した。モンデリーズは2016年にもハーシーの買収を目指したが、当時は230億ドルでの買収提案がハーシーに拒否され、交渉から退いていた。
シリア情勢
シリアの反体制派グループはアサド政権崩壊を受け、ムハンマド・アルバシール氏に暫定政府の樹立を任じた。シリア国営テレビが報じた。イスラエルは、シリアの化学兵器およびミサイル貯蔵施設を攻撃したことを明らかにした。市民の安全確保に向けた予防措置だと主張している。アサド大統領の亡命を受け入れたロシアは、シリアに持つ地中海沿岸で唯一の海軍基地と、アフリカ展開への物資輸送拠点として使用されている空軍基地を失う恐れに直面している。ロシアはシリアの基地を維持するためにあらゆる努力を払うだろうが、成功する保証はないと、ロシア大統領府に近い関係者は語った。
重要参考人
米ユナイテッドヘルス・グループの幹部ブライアン・トンプソン氏の殺害事件に絡み、ペンシルベニア州アルトゥーナ付近で男が拘束され、現地警察が聴取している。事情に詳しい関係者が明らかにした。この男は重要参考人と見なされ、複数の偽造身分証明書と、事件で使用されたものと同様のサプレッサー付きの銃を所持していた。ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、拘束された男は医療よりも利益を優先するヘルスケア企業を批判する手書きの声明を持っていた。
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