トランプ氏がメキシコ・カナダ・中国に関税:識者はこうみる

[ニューヨーク/シンガポール 2日 ロイター] – トランプ米大統領は1日、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税、中国からの輸入品に10%の追加関税を課す大統領令に署名した。4日から実施する。不法移民や合成麻薬「フェンタニル」の流入を巡る国家非常事態が終わるまで継続するとした。

市場関係者に見方を聞いた。

◎通貨「窓」あけへ、アジア株下落を予想<ATFXグローバル(シドニー)のチーフ市場アナリスト、ニック・トワイデール氏>
週明けは当該通貨で「窓」があくだろう。何らかの形で(関税)回避が可能という期待がまだあったが、そうはならなかったため、市場は反応するだろう。カナダドル、メキシコペソ、人民元に加え、リスク資産全般にネガティブだ。
アジア株式市場は下落して始まるだろう。その後、さらなる情報を得るため再びニュースを注意深く見守ることになる。

◎株式にとって極めてネガティブ<マッケンジー・フィナンシャル(トロント)の債券部門チーフストラテジスト、ダスティン・リード氏>
株式にとって極めてネガティブであり、他のリスク資産とともに売られるだろう。関税が実施されれば米の物価水準に非常に大きな影響を与えると考えられ、これも株式やハイベータ資産にとって打撃となる。

◎市場のトランプ氏との蜜月終わる<シーバート・フィナンシャルのマーク・マレック最高投資責任者(CIO)>
これまで市場はトランプ大統領の味方だったが、今回はそれが変わり、市場が初めてトランプ氏に挑戦する可能性がある。市場が動揺するのは間違いない。

◎広範囲の一般化された関税は大抵誤り<ファミリー・インベストメント・オフィス、チェリーレーン・インベストメント(ニュージャージー州ニューバーノン)のパートナー、リック・メクラー氏>広範な製品を対象とし、社会政策に的を絞ったこのような一般化された関税は大抵は誤りだ。だからこそ、市場はずっと懐疑的な目で、不安な気持ちで見てきたのだと思う。発動で市場は動揺するだろう。