Georgi Azar
- CFIUSが「実質的な関与」認めず、正当な手続き巡る権利を侵害
- 日米鉄鋼2社、CFIUSの審査と買収阻止命令無効化を求める
日本製鉄とUSスチールは、バイデン前米大統領が141億ドル(約2兆1800億円)の合併を先入観を持って不当に判断し、合併を阻止する前に国家安全保障審査について両社に意見する機会を与えなかったと主張した。また、この審査を「見せかけ」と表現した。
先月提訴した両鉄鋼メーカーは3日に提出した準備書面で、対米外国投資委員会(CFIUS)が昨年、両社との「実質的な関与を事実上、ほとんど認めなかった」ことで、両社の正当な手続きを巡る権利を侵害したと指摘した。
CFIUSは国家安全保障を保護するために政治的に中立な審査を行うことになっているはずだが、バイデン氏が2024年3月に買収計画阻止を表明した後、その手続きを無視したと、首都ワシントンの連邦高裁に訴えた。
両社は、バイデン氏が再選に向けペンシルベニア州の鉄鋼労組の支持を得るためにそのような行動を取ったと主張している。準備書類によると、バイデン氏が今年1月に正式に買収計画阻止を表明するまで、審査には9カ月を要した。
今回の審査は「最初からバイデン氏があらかじめ決めた結果を導くために計画された見せかけのプロセス」であり、「この見せかけのプロセスを実現するために、CFIUSは独自の規定に違反した」と強調した。
これらの違反には、法律で義務付けられている「国家安全保障上のリスクを軽減する」ための企業による提案への対応不足、CFIUSの審査に関する機密情報の競合企業および労組への漏えい、CFIUSの審査に関与する複数の連邦政府機関それぞれの立場を文書化しなかったことなどが含まれているとした。
両社は、CFIUSの「違法な」審査およびバイデン氏による国家安全保障上の理由に基づく買収計画阻止命令を無効化し、新たな審査を実施するよう求めている。
CFIUSなどを相手取った今回の訴訟は、3月17日までに準備書面での主張を完了し、その後に口頭弁論が行われる見通しだ。
原題:Nippon, US Steel Say Biden Blocked Merger Amid ‘Sham’ Review (1)、
Nippon, US Steel File Opening Brief in Lawsuit to Rescue Merger(抜粋)