【ニューヨーク=小林泰裕】米実業家のイーロン・マスク氏が率いる投資家グループは10日、対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」を開発したオープンAIに対し、973億7500万ドル(約14・8兆円)で買収提案を行ったと発表した。オープンAIの経営を管理する非営利団体を買収する方針という。
イーロン・マスク氏(ロイター)
提案を受け、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は10日、X(旧ツイッター)に「お断りだ。むしろ、あなたが望むなら(マスク氏が買収した)ツイッターを97億4000万ドルで買収します」と投稿した。提案を拒否し、マスク氏を挑発した形だ。
サム・アルトマン氏
米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、オープンAIの企業評価額は約3000億ドル(約45・6兆円)で、買収が実現する可能性は高くないとの見方がある。ただ、投資グループは今後、買収額を引き上げることも検討するとしている。また、投資家グループにはマスク氏が率いるAI開発企業「xAI」も参加しており、買収後にオープンAIをxAIと合併させる構想もある模様だ。
オープンAIは、マスク氏とアルトマン氏が2015年に共同で設立した。マスク氏は近年、アルトマン氏が進める営利企業化を批判し、2人は対立を深めている。これまでにマスク氏は、オープンAIが人類のために安全なAIを開発するという当初の理念から逸脱していると訴え、アルトマン氏らに損害賠償などを求める裁判も起こしている。