By Andrea Shalal

トランプ氏、「相互関税」導入の大統領令に署名 「公平性取り戻す」

[ワシントン 13日 ロイター] – トランプ米大統領は13日、米国の輸入品に関税を課している全ての国に「相互関税」を課すと発表した。同盟国と敵対国の双方を標的とした新たな貿易措置となる。

トランプ氏は相互関税の導入を公言してきたが、この日の指示は具体的な導入に至るものではなく、代わりに貿易相手国が米国製品に課している関税の調査開始を指示するもの。対応策の策定まで数週間から数カ月をかかるとみられている。

トランプ氏は大統領執務室で記者団に対し「公平性の観点から相互関税を課すと決定した。各国が米国に課している関税と同額を課す。それ以上でもそれ以下でもない」と述べた。ホワイトハウスは、こうした関税措置は米国の経済、国家安全保障の強化につながるとの見方を示している。

トランプ氏は、他国が課している関税に対応する相互関税の算出開始と、非関税障壁への対抗措置を指示する覚書に署名。商務長官が各国個別に対応していくと述べた。

その上で、それぞれの国は関税を引き下げるか、撤廃することができると指摘。付加価値税(VAT)を採用している国については、それを関税と見なすとし、関税回避を目的とした第三国経由の商品輸送は認めないと述べた。

ホワイトハウス当局者は記者会見で、相互関税は13日に発動されないとし、トランプ政権の通商・経済チームが各国の関税措置や貿易関係を精査した上で、数週間以内に発動される可能性があると述べた。

トランプ氏が商務長官に指名しているハワード・ラトニック氏は、対象となる国に個別に対応していくと表明。この問題に関する政権の調査は4月1日までに完了するとの見通しを示した。4月1日は就任初日にトランプ氏がラトニック氏らに対し、貿易相手国の慢性的な貿易不均衡の是正案の提出を求めた期限でもある。

トランプ氏の発表に先立ち、ホワイトハウス当局者は記者団に対し、米国に対する最大の貿易黒字国のほか、米国に対し高関税を課している国を対象に優先的に調査に着手すると言及。関税率は他国が米国に課す関税率に合わせて設定されるとし、過度な規制のほか、VAT、政府補助金、為替政策など、米国製品の流通の阻害につながる非関税障壁への対抗措置を目指すものになると述べていた。

同当局者によると、トランプ大統領は他の国が関税を引き下げれば進んで関税を引き下げる用意があるという。

対象には日本のほか、中国、韓国、欧州連合(EU)が含まれると指摘。世界的に一律の関税が導入される可能性は否定しなかったものの、各国の状況に応じた関税を設定する方針を示した。