Daryna Krasnolutska、Aliaksandr Kudrytski

  • プーチン氏に屈した指導者になりたくない-ゼレンスキー氏
  • 交渉に備えプーチン氏はベテランチーム結成-譲歩の兆しほぼなし

ウクライナのゼレンスキー大統領は、トランプ米大統領が構想する和平案に関与する用意があるとし、ロシアとの直接協議に前向きな姿勢を示した。

  ゼレンスキー氏は、ミュンヘン安全保障会議でのバンス米副大統領との会談前に発言。欧米とウクライナの交渉担当者は、ウクライナでの戦争終結を模索するトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の会談に向け、態勢を整えている。

Volodymyr Zelenskiy arrives at the Munich Security Conference on Feb. 14.
ゼレンスキー大統領(14日、ミュンヘンで)Photographer: Thomas Kienzle/AFP/Getty Images

  ゼレンスキー氏は14日、ミュンヘンで記者団に対し「米国や同盟国と会談する準備はできている。そして立場について合意した後で、ロシア側と話し合うつもりだ」と語った。

  ブルームバーグテレビジョンが主催したパネルでは、同氏は「プーチン氏によるわが国の占領を助けた人物として歴史に名を残したくない」と語った。

 一方、プーチン大統領は、トランプ氏が送り込む代表団との交渉に備え、数十年の経験を持つ大ベテランのチームを結成している。

  その中には、外交に半世紀以上関わってきたウシャコフ大統領補佐官(外交政策担当)や、プーチン氏と同じく旧ソ連の国家保安委員会(KGB)出身のナルイシキン対外情報局(SVR)長官などが含まれている。内部情報を話しているとして匿名を求めた事情に詳しい関係者が明らかにした。

  さらに米国のスタンフォード、ハーバード両大学で学んだ金融専門家のキリル・ドミトリエフ氏は、プーチン氏の親族ともつながりがあり、トランプ氏サイドの交渉担当者との非公式な裏ルートとして重要な役割を果たす可能性があると、関係者は述べた。

Vladimir Putin and Yuri Ushakov.
プーチン氏とウシャコフ氏Photographer: Maxim Shemetov/AFP/Getty Images

  プーチン大統領がロシアの代表として重鎮らを起用するのは驚くことではない。今回の人選は、プーチン氏がいかに交渉で有利な結果を導き出すことを決意しているか、またウクライナ侵攻から3年が経過した今でも要求はほとんど変わっていないことを浮き彫りにしている。

  これに対し、トランプ氏のチームはウクライナに関してそこまでの背景知識がなく、ロシア側との直接交渉の経験もほぼない。合意に至る道筋は依然として非常に不透明で、プーチン氏が大幅な譲歩を行う兆しも見せない中、こうした要素は交渉で大きな足かせとなる可能性がある。

  ロシア大統領府の報道官にコメントを求めたが直ちには返答は得られなかった。

原題:Putin Assembles Team of Heavyweights to Negotiate Ukraine Deal
Zelenskiy Says He’ll Talk to Russia as Part of Trump Plan (1)
Zelenskiy Says He Doesn’t Want to Be Leader Who Gave In to Putin(抜粋)