USAID解体について語る浜田参院議員=13日、参院議員会館
USAID解体について語る浜田参院議員=13日、参院議員会館

ドナルド・トランプ米政権が、途上国などに対外援助を担う「国際開発局(USAID)」の解体に乗り出している。「政府効率化省(DOGE)」のトップに就いた実業家のイーロン・マスク氏は、USAIDの支出などを疑問視して「犯罪組織」と指弾し、本部ビルを封鎖して職員の多くに自宅待機を命じた。日本ではあまり報じられないUDAIDの問題について、SNSで投稿した「NHKから国民を守る党」の浜田聡参院議員に聞いた。

「政権交代の効果の一つに、『無駄遣いの削減』があると思う。トランプ政権で特徴的なのは、組織をターゲットにしたことだ。事業ごとに『これは無駄だ』と評価をしていくことも大事だが、まとまって組織をターゲットにしていくことで、より効果的に働くのではないか」

浜田氏は、USAID解体の動きをこう語った。

USAIDは、ジョン・F・ケネディ大統領時代の1961年に設立された。職員1万人超が途上国などで開発支援や災害支援に当たる。2023年度予算は400億ドル(約6兆円)超に上っている。

英BBCは5日、USAIDの予算の多くは、ポリオ予防接種や、パンデミック(世界的大流行)につながり得るウイルスの拡散を防ぐための健康事業に使われていると報じた。

ホワイトハウス「無駄遣い」指弾

ただ、ホワイトハウスは3日、HPにUSAIDの「無駄遣いリスト」を公表した。そこには、「アイルランドでのDEI(多様性・公平性・包括性)ミュージカル制作に7万ドル(約1050万円)」「コロンピアでのトランスジェンダーオペラに4万7000ドル(約705万円)」「グアテマラでの性転換とLGBT活動に200万ドル(約3億円)」などと記されていた。文末には、「リストは文字通り延々と続く」とあった。

USAIDへの批判を強めるマスク氏(AP=共同)
USAIDへの批判を強めるマスク氏(AP=共同)

マスク氏はこれらを受けて、USAIDを「政治的に偏っている」「毒蛇の巣窟」「腐敗している」などと連日攻撃している。

浜田氏は「歴代民主党政権が一定の価値観に基づく政策を推し進め、USAIDがそれに関わってきた可能性を示唆する情報が出てきている。日本のメディアは『政府機関解体をめぐる混乱』については報じるが、USAIDの支出先を問題視する報道はほぼない。不可解だ」と語る。

日本でも、国民に負担増を求める前に、政府機関や関係組織の支出を見直すことが必要ではないか。

浜田氏は「日本の役所にも、KPI(目標)がしっかりと設定されていないところもある。日本政府が行う政策が目的に寄与していないという指摘もあり、国会でしっかりと取り上げていきたい」と語った。

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