イスラエルとイスラム組織ハマスとのガザ地区での停戦合意に基づく人質の解放の一環として、ハマスは4人の遺体をイスラエル側に返還しました。一方、イスラエル軍は、1人の遺体が本人と一致していないとしてハマスを非難していて、恒久的な停戦に向けた協議への影響も懸念されます。

先月19日に始まったイスラエルとハマスとの間の6週間の停戦合意では、ハマスがイスラエル人の人質のうち、遺体も含めて33人を段階的に解放・返還することになっていて、これまでに19人が解放され、イスラエル側も刑務所などに収容していたパレスチナ人1100人余りを釈放しています。

20日にはハマスが4人の遺体を返還し、幼い子ども2人とその母親、それに高齢の男性だとしています。

一方、イスラエル軍は、21日、人質の母親とされる遺体が本人と一致しないと発表し、停戦合意の重大な違反だとハマスを非難しました。

ハマスは22日に生存している人質6人を解放し、来週にはさらに4人の遺体を返還するとしていますが、6週間の停戦の期限が来月1日に迫る中、恒久的な停戦と残るすべての人質の解放を目指す第2段階に向けた双方の協議は進んでいません。

イスラエルのネタニヤフ首相は恒久的な停戦に移行せずに、停戦の第1段階を延長することで追加で人質の解放を実現したい意向だとも伝えられていて、今回の遺体の返還をめぐるイスラエル側の反発で、協議への影響も懸念されます。