Akayla Gardner、Kate Sullivan

  • トランプ氏とクック氏は20日にホワイトハウスで会談
  • アップル主要サプライヤーの鴻海、メキシコに大規模な製造拠点

トランプ米大統領は21日、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)と前日会談し、同社が製造拠点をメキシコから米国内に移転すると約束したと述べた。州知事との会合で明らかにした。

  クック氏は「メキシコの2工場を取りやめた」とし、メキシコに代わり、米国で製品を製造する予定だとトランプ氏は発言。「関税を避けたいのだ」と述べた。

  またアップルが「数千億ドルの投資」を計画しているとも語った。

  トランプ氏がどの製造施設を指しているのかは不明。だが、アップルのスマートフォン「iPhone」の受託生産最大手、鴻海精密工業はすでにメキシコに大規模な製造拠点を構えており、同国での事業拡大計画を発表している。

  アップルの広報担当者は現時点でコメントの要請に応じていない。

iPhoneに関税の脅威

  クック氏はトランプ氏が大統領への返り咲きを決めて以来、緊密な関係構築を模索してきたテクノロジー業界リーダーの1人。先月の大統領就任式に出席し、政権移行期間中にはフロリダ州にあるトランプ氏の邸宅「マールアラーゴ」を訪れている。

President Biden And India Prime Minister Modi Meet With Business Leaders
ティム・クック氏Photographer: Chris Kleponis/ Bloomberg

   アップルは米中貿易摩擦の激化に巻き込まれるリスクがある。トランプ大統領は中国製品に10%の追加関税を賦課しており、iPhoneの販売不振の打開策を探す同社には難題だ。一方の中国は、アップルがアプリ開発者に課す手数料と商慣行について調査を検討している。アップルにとって中国は最大の製造拠点であり、米国は同社最大の市場。

  トランプ政権1期目にクック氏は、大統領との関係を活用し、主力製品であるiPhoneについて関税免除を勝ち取ることができた。しかし、トランプ大統領は輸入品に広範囲にわたり新たな関税賦課を目指しているため、アップル製品が今回は関税適用除外にならない可能性も示唆しており、免除措置は避けたいと記者団に述べている。

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原題:Trump Says Cook Shifting Apple Manufacturing From Mexico to US(抜粋)