▽米消費者信頼感、4年ぶりの低水準-トランプ関税を巡る懸念で
Mark Niquette
- 今後6カ月の見通し示す期待指数は12年ぶり低水準、現況指数も低下
- 1年先インフレ期待2年ぶり高水準、将来の家計状況への見方悪化
3月の米消費者信頼感は4年ぶりの水準に落ち込んだ。トランプ大統領の関税政策を巡り、物価上昇や経済の先行きに対する懸念が強まった。
キーポイント |
---|
・消費者信頼感指数は7.2ポイント低下の92.9 ・ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は94.0 ・前月は100.1(速報値98.3)に上方修正 ・民間調査機関のコンファレンスボードが発表 |
今後6カ月の見通しを示す期待指数は10ポイント近く低下し65.2と、12年ぶりの低水準となった。現況指数も下がった。
コンファレンスボードとミシガン大学による最近の消費者調査は、いずれもトランプ氏の関税によるインフレ再燃への懸念から悪化傾向が鮮明となっている。企業は価格上昇と需要減退を警告しており、スタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)とリセッション(景気後退)の可能性が高まっているとのエコノミスト予想と一致している。
1年先のインフレ期待は2年ぶりの水準に上昇した。ミシガン大学の3月調査でも2022年以来の高水準となった。
関連記事:米消費者マインド、約2年ぶり低水準-インフレ期待は急上昇 (2)
コンファレンスボードのシニアエコノミスト、ステファニー・ギシャール氏は発表文で「ここ数カ月かなり堅調に推移していた将来の所得に対する楽観的な見方は、ほぼ消えた。経済や労働市場に対する懸念が、家計に関する消費者の見方にも及び始めていることを示唆している」と述べた。
将来の家計状況に対する見方は2022年7月以来の低水準。景気後退を予想する回答者の割合は9カ月ぶりの高水準だった。
エコノミストや金融当局者にとっての大きな問いは、こうしたセンチメントの悪化が支出の大幅減といった形で実体化するかどうかだ。根強いインフレと借り入れコストの高止まり、弱含みの雇用市場といった問題も家計を圧迫している。
発表文によると、家電製品や電子機器など高額商品の購買環境は持ち直した。これは関税発動前の駆け込み購入を反映している可能性がある。インフレ調整後の財・サービス支出に関する2月のデータは、28日に発表される予定。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Consumer Confidence Tumbles Again to Lowest Since Early 2021(抜粋)